クリーピー 偽りの隣人は、
2016年に上映された映画です。
引っ越してきた主人公夫婦が
「不気味な隣人」の狂気に徐々に飲み込まれる様子を
描いていく、
サスペンス系統の映画です。
「クリーピー」というタイトルの小説を
原作とした作品ですね。
原作を読んだことが無くても大丈夫?
私自身も、クリーピーの原作は
読んだことはなかったのですが
Hulu(ネットフリックスだったかも?)で映画を見ました。
(※現在も配信サイトで配信されているかどうかは、
もし見るなら念のため事前に確認してください!)
内容自体は映画は映画でちゃんと独立している感じで、
原作小説を見ていなくても、
ついていけなくなる、ということはなかったように思います。
ただ、内容自体が結構癖がある作品なので、
その点は好き・嫌いが分かれそうな印象ですね。
”隣人”の恐怖が凄い
隣人の西野役を演じる香川さんの演技は
凄まじい、の一言ですね。
特に前半の「なんなんだこいつは?」と言いたくなってしまうような
奇妙なふるまいは、とても恐怖をあおるようなものでした。
もちろん終盤もサイコパスぶりを十分に発揮していますが
特に私的には、序盤のほうの
「悪人なのか何なのかよくわからない得体のしれない不気味な西野」な
香川さんが凄まじく不気味に感じました。
この演技を見る、のがこの映画の最大の魅力…のような気も(笑)
終盤は、西野の本性が既に分かっているので、
演技は相変わらずすさまじいですが
序盤のような「なんなんだこの人は?」的な恐怖は
薄れています。
全体的に暗い感じ
映画自体は明るいシーンはあまりなく、
終始、全体的に暗めで不気味な感じが
漂っている作品ですね。
登場人物は、主人公の高倉夫妻もそうですが
暗い人が多いので(野上刑事もそうですね)
明るいノリで見るような作品ではありません。
最初から最後まで終始暗く、
見終わったあとも、不思議ななんとも言えない
感覚になるような作品でした。
BGMや映像の雰囲気も含めて
「あえて」そういう雰囲気を作っているのかな?
という感じはします!
正真正銘の「狂ってる」隣人
最後まで見てみても、隣人の「西野」が
イマイチ何を求めていたのかは
なかなか理解できませんでした。
これは、映画が説明不足、ということではなく、
西野という人物自体が
俗に言うサイコパスな感じの人間で
その目的は常人には計り知れない…という
そんな感じの描写?なのかな、と思っています。
最初から怪しい感じ全開で登場しますが
言ってることや振る舞いが日によって変わったり、
最後も、敵対したと思ったら急に”家族ごっこ”のような
ことを始めたり、非常に不気味です。
西野のやっている行為の先に何があるのか?と
考えてみても、やはり合理的?な答えは見つかりませんし
完全に「狂っている」隣人、という感じが
非常に強く、表現できているように思いますね。
香川さんの演技も加わり、
本当に異様な雰囲気です。
最後は異様にあっけない
香川さんの演技はすさまじいのですが、
最後が、とんでもなくあっけないので、
拍子抜けする人も多いと思います。
少なくとも、私は拍子抜けしました。
え???これで終わり?え?西野??え?
みたいな感じです笑
本当にあっけなく、西野の支配との戦いに
決着がつき、そしてエンディングも唐突です。
そのあと、この状況いったいどうするの?みたいな感じですし、
エンディングには、かなり疑問と後味の悪さ…というか
「???」という感情が残り、
すっきりとするエンドではないような感じです。
西野は一瞬にして倒されますし
(まぁ、この油断ぶりと、あっけない最後の奇妙さも
西野らしいのかもしれませんが)
そのあとの高倉夫妻はいったいどうなってしまうのか…
などなど、「全て解決してハッピーエンド!」という感じではありません。
登場人物の行動には謎も多い?
隣人・西野は単純に狂っているだけだと思いますが
高倉夫妻も、妻が次第に西野にのめり込んで行ったり、
西野が、使っている謎の注射のようなものも
正体不明(作中でこれが何なのか明かされることは
あまりありません)ですし、
西野の「家族」の行動も謎で、娘も走り去って行って
しまいますし、登場人物が全体的に狂っているような
そんな印象も受けます。
野上刑事もどことなく影を感じるキャラですし
谷本刑事(終盤でやられる人)は、何で別行動したのか
よく分かりませんし(絶対やられるよこの人、と思ったらすぐにやられた笑)
色々と登場人物の行動には不可解な点も感じました。
それらも全部含め、クリーピーという作品の
演出なのかもしれませんが…。
ネタバレ!劇中の犠牲者まとめ
クリーピー 偽りの隣人の劇中で犠牲になってしまった
登場人物をまとめました。
作中の時系列順にまとめてあります。
・松岡
劇中の1年前に事件を起こし、警察たちによって
撃たれてそのまま犠牲となる。
・田中家の住人
西野が起こしたと思われる爆発事故によって
作中に登場した住人(本名不明)と寝たきりの母が
犠牲になってしまう
・野上刑事
西野のことを調べていた最中に
田名家で起きた爆発(西野によるものと推定)に
巻き込まれて遺体となって発見される
・西野多恵子
西野雅之に反抗的な態度を取ったために、
怒りをあらわにした雅之に銃で撃たれてしまう。
・谷本警部
高倉と一緒に西野の家に踏み込むも
西野によって注射器を打ち込まれて犠牲に。
・西野雅之
高倉夫妻を手中に収めるも、自我を取り戻した(?)
高倉によって突然撃たれてあっけなく最期を遂げる。