ワイルドブレイクは2020年に公開された映画で、
弟を救うためにレースに挑む主人公の姿を
描く作品です。
どことなく、ワイルドスピードに題名が似ていますが、
車の要素が出て来る以外は全く関係のない作品です（笑）
こちらでは、そんな「ワイルドブレイク」を実際に見た
感想をお話していきます。
弟を救うためのレースに挑む
主人公ジャックの弟、ネルソンがデイビーと呼ばれる悪党の元で
借金を作ってしまい、
そのネルソンを救うために、デイビーが主催するレースに
ジャック（元レーサー）が出場するというお話になっています。
導入の部分は、やたらとハイスピードで
”え？これ何かの続編？”と思いましたが
特にそういうことではありませんでした。
意外と急にレーススタートのところまで
駆け足で進んでいきます。
レースがレースになっていない
出場するレースは各所のチェックポイントを巡り
ゴールを目指す、というもので、
チェックポイントまでに向かう道順は”自由”のようです。
そのため、レース中でもそれぞれのレーサー同士が
同じ場所を走る場面が非常に少なく、
”本当にレースしてるの？”というような感じになってしまっています（笑）
また、レースと言いつつ、
出場者は主人公を含めて3人しかいないので、
なかなかシュールな光景が広がっています。
さらに、観客も誰もいない
（一応、ネット中継している設定になっているようですが）ので、
レースしてる感が全く伝わってこないところも、なかなか笑えます。
しかも、レース自体も八百長で、
デイビーサイドの人物が成績をコントロールしている
（先に第2チェックポイントにたどり着いたミックがスルーされて、
主人公の勝ちになるなど）ので、
もはやレースとして成立していません（笑）
強引な展開が目立つ
スタートから中盤ぐらいまでは、まぁ、レースの部分を
気にしなければそれなりに楽しめる感じはありましたが
展開は終始、非常に強引で行き当たりばったりな感じがあります。
まず、ヒロインの登場がとても唐突で、
ほとんど前触れもなく、主人公の車に乗り込んで来て
そのまま強引にレースに同行するようになります（笑）
かなり登場が雑なので、ある意味珍しい展開ですね…。
また、敵の親玉のデイビーも、最初は大物感を出していて
”警察なんか怖くねぇ”みたいな態度で振る舞っていましたが
中盤でいきなりあっさりと逮捕されてしまい
（しかも、特に対策も打ってなかった様子…笑）
一応、その後仲間によって救出はされましたが
終盤までほとんど再起不能の状況で、ロクに出番のない状態でした。
最初の大物感は一体何だったのか、
いきなり捕まってしまって、どうしてあんな展開に
なってしまったのか、不思議な感じです。
終盤の展開がかなり雑
映画を見ていて、随分まだ話がありそうな段階なのに
”残り10分”を切ったので
凄く嫌な予感を覚えながら見ていましたが、
案の定、その嫌な予感は的中してしまい、
終盤になった途端、突然展開が早くなり、
救出目標だった弟がいきなり雑に処分され、
敵キャラクターたちもいきなり主人公の前に姿を現して、
警察も乱入してあっさりと確保されて、
「え？え？」と思っているうちに、スタッフロール突入…！
というとんでもない内容でした（笑）
レース自体もハッキリとした決着がつくことはなく、
途中で警察の乱入によりレース終了！みたいな感じで、
もはや、打ち切りエンドのような感じだったので、
これには驚きましたね…。
ただ、終盤の展開さえ、もしもある程度しっかりと
作られてさえいれば”それなりに見ることのできる映画”
だったと思うだけに、
終盤、急に”やる気をなくしたんじゃ？”と思えるような
作りは非常に残念でした。
主人公の過去…
主人公のジャックの過去は、
序盤から、大事な話かのように、
何度か匂わせるような演出がありますが、
終盤で急に、主人公が雑に語り始めて
それで終わってしまい、
特に物語にも大きな影響がないので、
この点も、あまり見せ方が上手でないような感じでした…笑
終盤の雑な展開に、主人公の過去も
巻き込まれてしまったかのような、そんな感じの作品ですね…。
面白そうな雰囲気だけは味わえる
序盤～中盤にかけて、面白そうな雰囲気も
それなりに味わえましたが、
展開がかなり雑なので、そこが全てを壊してしまっているような
感じでした。
ただ、逆にその雑さが癖になりそうな感じも
あったので、そういう部分も楽しめる人は
（割と私はそういう雑な感じもネタとして楽しめるので、
見て良かったとは思っています）、
違う意味で楽しめると思います。
なお、純粋に評価すると、本家（？）と思われる
「ワイルドスピード」との差はかなり大きいかな？とは感じます。
作中の犠牲者ネタバレ
ワイルドブレイクの作中で犠牲になってしまった
キャラクターたちをご紹介していきます。
・主人公の妻
回想シーンで登場。かつてレース中の事故により、
ジャックだけは脱出できたものの、妻は脱出できずに
車の爆発に巻き込まれて命を落とした。
・ネルソン
主人公の弟。終盤でデイビーに雇われた集団に
銃撃されて負傷、
主人公が駆け付けたところで謝罪の言葉を口にして息を引き取る。
・デイビーの部下二人
終盤で主人公たちの前に姿を現し、銃撃を加えて来るも、
ジャックの反撃により二人とも葬られる。
ライバルのレーサーの一人は、終盤でジャックとの戦いに負けて
車ごと事故を起こしていますが、その後一切登場しないため
どうなったのか不明です。
