Fukushima 50のレビュー!難しく考えずに映画を見ることが大事。

映画

Fukushima 50は、
2020年3月に公開された映画で、
2011年3月に発生した東日本大震災の際の
原発事故を元にした作品です。

実話をベースとした映画作品、ということになりますね。

こちらの映画を実際に見た感想をお話していきます。

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「映画」として作品に触れることが大事

Fukushima 50を見る上で、まず大事なことが
”映画は、あくまでも映画である”ということを
理解できるかどうか、しっかり自分の中で考えてみることが大事です。

もしもそれが出来ない人なのであれば、
この作品は見ない方が良いと思いますし、
それができる人で、興味があるのであれば
この作品を見てみる価値はあると思います。

と、言うのも、実際に私もこの作品を見る前に、評論家の評価などを
見たことがありますが、”美化している”とか”現実とは違う”とか
そんな評価も、それなりに目に入りました。

しかし、そういう風に現実と映画を混同して考えてしまうと、
映画を素直に作品として楽しむことができなくなってしまいます。

実話を元にした話であろうと、映画は映画であり、現実は現実である、ということは
ちゃんと理解していないといけませんし、
映画や漫画、アニメやゲーム、ドラマもそうですが
”創作”とは、美化されたものであり、着色されたものです。

どんなお話であろうと、現実の生々しい部分だけを描いていたのでは、
ノンフィクションの作品を除き、創作としては失格であり、
映画として公開する以上は、物語として見せ場を作ったり、成り立たせたり、
美化する部分は美化したり、ということは必要なことです。

ですので、そういう分別が出来ない人は、
他の作品を見た方がいいと思いますね…。

私自身は、どんな話であろうと、映画は映画と割り切って
その作品を楽しむようにしているので、
この作品も十分に映画として、楽しむことができました。

どこまでが本当かは別として、雰囲気は伝わる

実話を元にした、とは言え、この作品は映画ですから、
当然、どこまで本当かは当事者以外には分かりませんし、
そこのところを映画で見る上で気にする必要はありません。

しかしながら、実際にこの作品を見てみて、
私自身も、”緊迫した雰囲気”はしっかりと伝わってくるように感じましたし、
現実では、こういった方たちの尽力のおかげと、
色々な方面の尽力のおかげで最悪の事態だけは免れることができたという
流れも、ちゃんと伝わってくるように感じました。

描かれていることが事実かどうかは、映画である以上は二の次であり、
雰囲気を伝える、と言う意味では、とても良くできている作品で
あると感じました。

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物語として楽しむこともできる

映画である以上、それが実話がベースであろうとなかろうと、
”作品として楽しむことができるかどうか”は、とても大事なことです。

私自身は、色々な映画も見ていますが、
この作品も、ちゃんと物語として楽しめるようになっていて、
緊迫した状況下の中、どのように推移していくのか
結果は分かっていても、なかなか見ごたえのある作品でした。

演じている俳優さんも、演技の上手な方が揃っているので、
その点も良い点でした。

個人的には、作中の総理がいいキャラクターをしていましたね…
(あとは本店の人たちとか…)

当時を知っていると、より没入できるかも

私自身も、東日本大震災の当時、
色々と緊迫した状況を目の当たりにしました。

原発の事故のことも、当時リアルタイムでニュースで
見ましたし、コンビニなどから品物が消えるなどの体験も
実際にしました。

そういった当時を知っていると、
当時のことを思い出しながら、より物語に没入できるような、
そんなイメージの作品でした。

ただ、少なからず当時のことを良くも悪くも思い出として
頭の中に思い出す部分はあったので、
トラウマになっていたり、思い出したくないことがある人は
少し注意した方がいいかもしれません。
(とはいえ、映画内では発電所内のやり取り以外は最小限にしてあるなど
 それなりの配慮も感じる内容にはなっていたと思います)

また、東日本大震災を全く知らないと、
若干、没入しにくい作品ではあるかもしれません。

最後は”映画”としては少し拍子抜けする部分も

現実は、映画的になってしまっては困りますが
この作品は最初にも書いた通り”映画”なので
映画として評価すると

”最後の方は、急にあっさりと問題解決”するので、
少し物語としての盛り上がりには欠けるような印象も
若干受けました。

もちろん、それでハッピーエンドになることは良いことですし、
実話をベースとした以上、大幅に出来事を変えることは
できないと思うので仕方のないことですが、
終盤まで、緊迫した状況が続いていた中、
奇跡的な出来事で急にあっさりと安定に向かい、
物語も割と急に駆け足で終わってしまう感じだったので、
ここの部分は、展開は同じでももう少し”演出面”で
盛り上げることができたのではないかな…?という印象を
少しだけ受けました。

あくまでも”映画としては”の話ですが、
序盤から中盤にかけての展開と、最後の唐突にあっさりな感じは
少し物語としては、もう少し工夫できたかな?とも思います。

難しく考えず、シンプルに。

最初にも書いた通り、実話を元にした話は
映画は映画として楽しむべきですし、
あまり難しいことを考えるべきではないと思います。

映画評論家の中には、この作品も除き、
なんだか妙にスケールの大きい、難しい考え方をしてしまっている人も多く、
一般の考え方とズレているのをよく見かけますが、
”作品として面白いか、面白くないか”が、映画では一番大事なことです。

この作品も、難しく考えずにシンプルに見る、ということが
楽しむうえで大切なことになると思います。

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