映画「グランツーリスモ」は
2023年に公開された映画で、
人気レースゲーム「グランツーリスモ」の初の実写映画となります。
ただ、ゲームの世界自体を実写映画化したものではなく、
”グランツーリスモをきっかけに本当のレーサーになった人物”の
実話を元にした物語が描かれてるという
ゲームの実写映画でもかなり変わったスタイルの映画になっています。
こちらを実際に遊んだ感想をお話していきます。
実話を元にした映画
「グランツーリスモ」のゲームをきっかけに
プロのレーサーとなった…という実話を元にした映画で、
”グランツーリスモのプレイヤーがレーサーになるまで”を描く映画です。
よくあるゲームの実写版の
”ゲームの中の物語を描く”のではなく、
”そのゲームを遊んでいたプレイヤーがレーサーになるまでを描く”という
かなり特殊なスタイルの実写映画です。
私も、ゲームの実写映画版は色々見ていますが
こういう視点での作品は非常に珍しいので新鮮でした。
グランツーリスモを遊んだことがないと楽しめないの?
これは”そういうレースゲームがある”ぐらいの認識でも
十分に楽しめると思います。
上で書いた通り、ゲームの世界を描く映画ではなく、
ゲームをきっかけにレーサーになる過程を描くので、
”そういうレースゲームが存在するんだ”ぐらいの認識でも
全然大丈夫な感じの展開でしたし、
グランツーリスモのゲーム自体をやったことがないと楽しめない、
という感じはありませんでした。
私自身はグランツーリスモシリーズは、ほぼ全て遊んでいますが
仮に遊んだことがなくても問題ない展開であったと思います。
ゲームの要素はあるの?
あくまでもゲームをきっかけにレーサーになった人物の物語ですが、
映画内にグランツーリスモのゲーム(映像を見る限り7ですね)が
登場していたり、
ゲームで使われているOP曲のアレンジ(一部の部分のみ)が登場したり、
効果音もゲームで使われている効果音だったりと、
”ゲームを知っていると楽しめる要素”も色々ありました。
また、ゲームでもおなじみの実在するサーキットが舞台となって
レースが展開されるのも良かったですね。
物語としても、かなりいい感じ
物語としても、かなりいい感じに仕上がっていて、
個人的には最後までしっかりと楽しめた作品でした。
”この映画が終わってしまうのが名残惜しい”と思えるような
そんな感じでしたね。
王道的と言えば王道的ですが、
ちゃんと”映画として”成り立っていて、
物語も楽しめる作りになっていました。
どこまでが実話なのかは分からない
映画の主人公にもなっているヤンという人物が
実在しているのは確かですし、
実際にグランツーリスモをきっかけにレーサーの道を
歩んだのも事実のようですが、
この映画が”どこまで実話なのか”は、映画を見終えても
あまりよく分かりませんでした(笑)
100%実話、ということは流石にないと思いますし、
そもそも、映画内ではグランツーリスモ7をプレイしていたので
(本物のヤンの年齢を考えると当然、当時はGT7ではないはずなので)
色々と変わっている部分はあると思います。
ただ、あくまでも”実話を元にしたストーリー”ですし、
映画として見るには、やはり物語性も大事なので、
個人的には、どこまで実話かどうかは関係なく、
とても良い作品に仕上がっていると感じます。
レースシーンも良い感じ
作中ではレースのシーンも複数描かれています。
ダイジェスト的に終わってしまうレースもありますが、
GTアカデミーでの最終レース、
デビュー戦や、ライセンスをGETする際のレース、
ル・マン(最後のレース)などはしっかり描かれています。
特にル・マンのレースは最後だけあっていい感じですね。
見る側の寝ながら見ているような、
そんな雰囲気も伝わってきて、実際のレース観戦の空気のようなものも
少しだけ味わえたような気がします。
ニュルブルクリンクのレースでは事故を起こすなど、
映画的な部分もあったりして、しっかりと物語も盛り上がっています。
ライバルレーサーもいい感じ
作中でライバルとなるレーサーも数名登場していて、
それぞれいい感じのキャラクターになっています。
あまり、ライバルを登場させ過ぎずに、描く範囲を
限定的にしているのも、分かりやすく良い印象を受けました。
(映画であまり人数を増やしすぎると、誰が誰だか
分からなくなりますし、印象に残る前に映画が終わってしまいますからね…)
レース中では主に金色の車に乗ったお金持ちのライバルと、
(妨害してきたり感情的になってスピードを出してクラッシュしたり、
一番目立つレーサーですね)
少しベテランっぽい攻撃的なレーサーが登場しています。
(ベテランの方はラストレースでは序盤でクラッシュしていますが…)
ゲームに理解がない人にはおすすめしない
私は普段からゲームをたくさん遊びますし、
この映画自体も、映画としても、グランツーリスモとしても
楽しむことができましたが、
”ゲームに理解がない人”は、
あまり見ない方が良いかとは思います。
そういう人は、ゲームからレーサーになる、ということに
どうしても拒否反応が出そうですし、
ゲーム的な演出も嫌な演出に見えるかもしれません。
ゲームに理解がない人に、
”いきなりこれを見て、ゲームに対する考え方を変えるか?”と言われると
多分、そうではないと思いますから、
そういう人にはおすすめはできません。
ただ、私のようにゲームが好きだったり、
グランツーリスモの存在を知っている、あるいは遊んでいる人であれば、
とても良い映画なのではないかと思います。