「3022」は2019年に公開された映画で、
地球滅亡後に、宇宙ステーションにいた
残されたごくわずかな人類を描く物語です。
基本的に地球内ではなく、宇宙での描写が
中心となる作品ですね。
こちらを実際に見た感想をお話します。
残された人類を描く映画
本作では、開始直後にあっさりと地球は滅亡し、
地球の滅亡までの過程や原因などは”ほぼスルー”状態の映画です。
地球が滅亡する云々ではなく、
地球滅亡時に”宇宙に残っていたごくわずかな人間たち”を描く映画ですね。
絶望的な状況の中で酸素の奪い合いが始まったり、
登場人物の一部が気が狂って行ったり、そういった
人間的な部分を描くお話です。
テーマとしては面白い作品ですが、
終始暗いので好き・嫌いは分かれそうかな?という印象です。
滅茶苦茶「雑」に滅亡する地球
本作では地球滅亡の部分はあまり重要ではなく、
”地球が滅んだあとの宇宙に残された人々”を描くことに
重点を置いているため、
地球は滅茶苦茶雑に滅びます(笑)
こんな適当に地球が滅亡する映画も
割と珍しいような…。
冒頭で地球から謎の光が発されて滅亡、
映画を見ている最中には”本当は滅んでない”みたいなオチなのでは?と
思いながら見ていましたが
中盤で、地球滅亡の際に地球の近くにいたISSの職員たちと遭遇し、
その際に地球が滅んだことが語られます。
いきなり地球が光を発し始めて爆発、
その際に地球にいる人物と通信している様子が回想シーンで描かれますが
1分もせずに地球が崩壊していく様子はなかなかしシュールです。
ちなみに、地球が滅んだ原因は
映画中では最後まで”不明”で、生存者の有無も不明です。
(状況的に地球にいた人間は全滅してそうですが)
時系列が若干分かりにくい描き方
物語は、地球滅亡直後のパンゲア号内部の描写と、
ジョンが一人になったあとのパンゲア号内部の描写が
織り交ぜられながら進んでいきます。
途中からは状況を理解できますが
最初のうちは、状況がコロコロ変わるので、
ちょっと分かりにくい印象を受けました。
(特に文章で説明があるわけでもないので)
少し、とっつきにくい描写
(最初のうちでリタイアしてしまう人を増やしそう)な
印象は受けました。
終始暗い感じではある
舞台はほとんどが宇宙船の船内で、
終始暗い物語が展開されます。
地球が滅亡してしまっていて、希望がない状態なので
物語の展開も非常に暗く、
明るい描写が好きな人には少し辛いかもしれません。
最初から最後まで、ほとんど全部
暗い状況だと思って見る方が良いです。
ちなみに、映画自体は予算の少なさを感じさせる内容で、
ずっと宇宙の基地の中の描写がほとんどで、
炎も明らかに合成な感じになっていました(笑)
印象には残る作品
面白いかどうか、と言われると独特な感じで
後味もそんなに良くなかったのですが、
”印象”には残る、そんな作品でした。
ただ、最初にも書いた通り
好き・嫌いが強く分かれそうな物語なので、
合わない人にはとことん合わないような
そんな印象も受ける作品でしたね。
個人的には”暗い気持ち”にはなるものの
印象には残りましたし、
結末がどうなるのかは気になったので
それなりに楽しむことはできました。
最後はどうなったの?
最後は、ジョンとジャッキー以外が全滅、
その二人もはぐれてしまいますが、
ジョンが時間をかけて、ジャッキーのいる場所にたどり着き、
ジャッキーと再会したところで物語が終わります。
地球滅亡の原因や、この後どうするのかなどについては
描かれておらず、続編もないため不明です。
一応、設定上、人類は
木星の衛星・エウロパへの移民を計画している最中で
技術者も行き来している、ということですから
”エウロパにも人がいる”のであれば、まだ希望がありそうですが
エウロパにどのぐらいの人間がいるのか、
あるいは一時的に行き来している程度でまだエウロパの方には
人間が一切いないのか、によってもこの後は変わりそうですね。
既にエウロパが普通に生活できるレベルになっていて
人もそれなりにいるのであれば
とりあえず人類滅亡は回避できそうですが、
エウロパへの移住がまだ全然進んでいない状況だと
地球が消滅してしまった以上、そこから立て直すのは難しそうな
感じがします。
設定だけ読むと”エウロパにも人がそれなりにいて、何とかなりそう”にも見えますが
作中の登場人物たちの絶望っぷりを見ると
”エウロパでは生活できるレベルにない”ような感じにも見えるので
何とも言えないところですね。
(ただ、地球の管制官が「エウロパに行け!」と最後に言っていたので
エウロパに到達さえできれば、また普通に暮らせる状況ではあるのかもしれません)
いずれにせよ、ジョンたちからすればエウロパまでたどり着くこと自体が
難しそうですし、
地球滅亡の原因が不明な以上、エウロパもそうなる可能性もあるため、
人類がエウロパに一定数いるとしてもあまり良い状況ではなさそうです。
作中の犠牲者ネタバレ
「3032」の作中で犠牲になってしまった
キャラクターをご紹介します。
作中の時系列順に並んでいます。
〇リサ
パンゲアのクルーの一人。
地球崩壊の衝撃の際に怪我をし、
程なくして命を落とす。
〇リチャード
パンゲアのクルーの一人。
次第に正気を失っていき、一人でパンゲアを飛び出し、
宇宙空間に放り出されて犠牲になる。
〇ダイアン
後から合流したISSの責任者。
ヴィンセントの裏切りにより命を落とす。
〇トーマス
後から合流した3人の一人。ヴィンセントと共に
後に敵対するも、ジャッキーに殴られて命を落とす。
〇ヴィンセント
後から合流した3人の一人。生き延びるために仲間たちを裏切るも、
最後はジョンによって宇宙船から放り出されて犠牲になる。