香川県のゲーム条例の疑問や不安点を元店長が解説します!

ゲーム

香川県の条例
「ネット・ゲーム依存症対策条例」が
話題になっています。

ですが、県側の説明は
依存症対策!対策!ばかりで一般の人に対して
どのような影響が出るのか正直、分かりにくい
(条例案全文は出てますが、分かりやすくはないですよね)
と思いますし、
ネット上では過激な発言をする人や、
今現在決まっていないような話、
ゲームはもうできない!電源が切れる!
うどんだ!みたいな、話が飛躍してしまっているような
情報も多く「結局、どうなるの?」という人も多いと思います。

こちらでは、
ゲーム屋の元店長として、
ネット・ゲーム依存症対策条例がもし成立した場合
どうなるのかを解説します

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分かりにくい点や疑問点を解説!

疑問に思う点、不安に思う点、
いろいろあるかと思います。

もちろん、どんな条例でもずっと今の通りではありませんから
いろいろ変わっていく可能性はあると思いますが
皆様が不安に思いそうな点や
疑問に思いそうな点を解説していきます。

今後変更があった場合は追記します
※下記の時点での情報です
(最終更新・2020/02)

ゲームで遊べなくなるの?

これは、Noです。
そのようなことはありません。
ゲームで遊ぶことは今まで通り個人の自由なので
条例が成立しても、
各家庭の判断でゲームを楽しむことができます。
「香川ではもうゲームはできない!」みたいな
情報は間違いなので、これは心配しないでください。

また、ゲーム時間の制限時間になると
電源が切れる、ということも
ありませんので、これも安心してください。
個人のプレイ時間を記録することはできませんし、
(オンラインで記録できても、それを香川県が
把握することはできません)
外部から電源を切ったり、”これ以上プレイできません”と
表示したりすることはできないので、
この点も心配はいりません。

加えて、これは子供向けの条例のため
「18歳以上」の方は無関係ですので、ご安心ください。

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時間制限を超えて遊ぶことはできないの?

これは、Noです。
できます。

時間制限はあくまでも
ゲーム依存症対策の”目安”であり、
皆様が普通に生活できているのであれば、
無視して構いません。
時間を超えたら罰金だとか、罪になるとか
そういうこともありません。
そもそも罰則が存在しないのです。

また、これはあくまでも「目安」であるため、
例えば1日3時間遊んだとしても、
”悪い”ことではないので、
そこも心配しないでください。

本当に依存症になってたりするなら別ですが
普通の生活が送れていれば
どれだけプレイしても、個人の自由です。

学校の教室にクラス目標とかがある人は
それを想像してみてください。
クラス目標が貼ってあっても、
正直、その目標を達成しようとする人は
少ないと思いますし、しなくても何にもないですし
もちろん、怒られたりもしないと思います。
あれと同じようなモノです。

これから罰則ができたりはしないの?

これは、ほぼ不可能であると考えられます。
今現時点では「今後罰則ができます」というお話は
ありません。

また、個人のプライベートに関わる問題ですから
そこに罰則をつけるとなると
法律上違法性が出てくる可能性があるほか、
そもそも”どうやってゲームで遊んでいる時間を
調べるのか?”という問題もありますから、
これは、無理でしょう。
今の時点の努力義務(スルーしても良い)が
限界になるはずです。

↑で書いたようにプレイ時間の確認というのが
そもそも不可能な話で、
ネットに繋いでゲームをやっていれば
プレイ時間を知ることは不可能ではありませんが
現状、行政がプレイ時間を知ることのできる手段はなく、
また、ゲームは必ずネットに繋いで遊ぶとは
限らないため、ネットに繋いでなければ
そもそも外部がプレイ時間を知ることはできません。

仮に、外部からプレイ時間が確認
できるようになったとしても
”誰が遊んでいるのか”まで調べることは
不可能です。
親かもしれない…ということです。
そのため、プレイ時間を調べることは
不可能ですから、罰則を規定することも不可能でしょうし
罰則までつけようとすれば、さすがに”暴走”として
ストップが入るでしょうから、
罰則が決まることは非常に難しいでしょうし
仮に決めようとしても、何時間遊んだか、を調べることは
ほぼ不可能に近いです。

それこそ、皆様の家ひとつひとつに監視カメラを
つけるぐらいのことをする必要が出てきますが
それができないことは、皆様でもお分かりかと思います。
そんなことしようとしたら大問題になりますからね。

ゲームの発売や内容に影響はないの?

これは、ほぼないはずです。
一応、条例案の11条に関連する文章がありますが
これも罰則があるわけでもなく
ゲームを作っているメーカーさんは、当然
ゲームが売れなければ困るわけですから、
あまり相手にしないでしょうし、
罰則などを決めようとすれば、何社もの大企業からの
反発を受けることが予測されます。

ゲームは今まで通り発売されますし
香川県1県だけのために内容を変えたり
発売を自粛したり、というのは考えられません。

逆に、内容や販売にまで口出しを始めれば
法律上の問題が生じる可能性もあり、
県もそれは理解しているはずです。

そもそも、都道府県はたくさんあるわけで、
その中の1県だけにメーカーが合わせる必要は
ないわけです。
ゲームを作る会社、ゲームを売るお店、
いろいろな人たちが働いていて
それで生活していることですから、
そこに大きな影響が出るようなことは
出来ないはずです。

今後はどうなるの?

これは、なんとも言えませんが、
「あまり意味のない条例」として
そのうち風化(忘れられていく)のでは
ないかと予想しています。

と、いうのも下に書きますが
ゲーム依存症対策には残念ながらなりませんし、
先ほども書いたように罰則も何もなく
罰則を今後つけることもほぼ不可能となれば
そのうち忘れられて条文だけが一応書かれている、
とそういう感じになるのではないでしょうか。

また、将来的には消滅するものと予想します。
eスポーツとか、そういう流れもありますから
時代の流れと共に「こんな条例意味ないよ」と
なっていくでしょう。

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ゲーム依存症対策になるの?

ゲーム屋店長の経験を元に言えば「なりません」
これは、断言できます。

なぜなら、そもそもゲーム依存症になる人は
ゲーム以外の部分に問題があり、
(家庭環境とか、学校でのいじめ、何らかのことに悩んでいるなど)
ゲームの依存症になる人がほとんどかと思います。

世の中にゲームで遊んでいる人はたくさんいますが
そのほとんどは、依存症などというものにはなっていません。
フリーターの増加だとかコミュニケーション能力の欠如
だとか、そういう理由に挙げられるようなことは
これはゲームが原因というより、他の部分なのですね。

と、いうことで
今回の条例のようなものでは
ほぼ効果なし、ということになります。

依存症になっている人、なる人は
この条例がスタートしても、そのまま依存症です。
無視するに決まっています。

で、依存症にならない人は条例がなくてもあっても
依存症にならないわけですから同じです。

なので、
ゲーム依存症対策自体は、
何らかの対処が必要かとは思いますが
今回のように”依存症と関係なく、普通に遊んでいる人”を
縛るだけの条例では
効果を出さない、ということです。

親としてはどうすれば?

お子様が普通に生活できているのであれば
「無理に時間制限をすることで、逆効果」が考えられます。
今まで通りで良いでしょう。

条例の時間はあくまで目安であるため、
各ご家庭で話し合い、好きにルールを決めるのが一番です。

本当に依存症状態になっていたり、引きこもりのような
状態になっているならご家庭で対策しなくてはいけませんが、
普通に趣味として遊んでいるだけなら
縛り付ける方が成長の妨げになる恐れもあるため、
今まで通り、自由にさせておいた方が
最終的に子供の身のためにもなります。

阻止したいんだけど…?

と、いう人もいると思いますが
基本はスルーで良いと思います。
過剰に反応する必要はありません。

また、”ゲームにやたらと拒否反応を示す世代”は
10年ちょっともすれば、現役を引退します。
今の世代はゲームが好き・嫌いに関わらず
一定の理解がある人が増えてきていますから
自然と世代交代が進めば、
この条例も無意味なものとして消滅する
可能性も高いですね。

万が一、香川県が暴走した場合は
大手ゲームメーカーや、有識者、他の議員等が
動くでしょうし、
その可能性は非常に低いはずです。

まぁ、どうしても何かしたいのであれば、
香川県にお住まいなのであれば
意見として香川県に伝えたり
パブリックコメントの募集があれば
(現在はしてませんが)、そこに意見を送ったり
選挙などがあれば、ちゃんと理解してくれる人を
選んだり(候補者が少なくて無投票も多いですが)
という手段が現実的です。

また、明らかにおかしなこと
(罰則で懲役!とか罰金!とか)言い出した場合や
それを実行した場合
クラウドファンディングなどで裁判を起こす費用を集めて
違法だと訴える手段もあります
※時間はかかりますが…。

(私は県民ではないのでコメントも提出できませんし
相手にされないので、何もできませんが、
県にお住まいであればそういうこともできるといえばできます)

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