映画「パラドクス」は2016年に公開された映画で、
”無限にループする階段”に巻き込まれた3人と、
”無限にループする道路”に巻き込まれた4人家族を
中心に物語が描かれる作品です。
タイムループではなく
”空間ループ系”の物語ですね。
しっかりと繋がっている
最初は、階段⇒道路に場面が変わったので、
”関係のない話を4つぐらい、オムニバス形式でやるのかな?”と
思いながら見ていました。
実際に2つ目の道路の話が終わるまでに映画の約半分なので、
あと2つ、似たようなエピソードをやって終わるのだろう、と
そう思っていましたが
3つ目の場面は「階段の世界の35年後」が描かれ、
単なる短編集ではなかったことが分かります。
道路の世界の35年後も登場し、そして2つが繋がって
真相もちゃんと明かされる作品でした。
最初は”謎のまま終わりそう”な雰囲気があったので
ちゃんと2つが繋がっていて、
よくよく見返すと伏線もあったので、
その部分は「上手だな」と思わせられる作品でしたね…。
難しい部分もありますが、よく考えるとちゃんとわかる、
そんな感じで上手く作られているように感じます。
ループの恐怖を2つの側面で
ループ世界自体の恐怖を本作では「2つの側面」で
描いていて、
まず最初は”ループ自体の恐怖”、
そして後半では”そこで35年間過ごした結果”の荒廃した恐怖が
描かれています。
前半と後半では”恐怖の感覚”も違う点があり、
この部分も上手に感じる部分でした。
ループにはまるなら…?
作中では舟・階段・道路・ホテル・エスカレーターの
ループが描かれています。
ホテルとエスカレーターはどの程度の大きさなのか
不明ですが、舟はかなり行動範囲が小さそうなので、
苦しそうな感じですね…。
「階段」「道路」は、
道路の方が圧倒的に広いので、
生活する面で考えると、”道路”の方が
トイレ問題的にも、上手く行きそうな感じはします。
…まぁ、いずれにせよこんなループには
はまりたくはありませんが笑
ループの世界の種類
作中で確認することができるループ世界は下記の通り。
なお、ホテルの世界以降は作中で最後まで描かれていないため、
考察を含みます。
〇舟の世界
川下りの世界でのループ。
ルーベンと指導員、ファンが巻き込まれてファンが命を落とした。
35年間彷徨った末にルーベンが「ロベルト」となり、次の世界に進む。
〇道路の世界
ガソリンスタンドのある道路でのループ。
ロベルト(元ルーベン)とサンドラ、息子のダニエルと娘のカミーラが迷い込む。
カミーラは持病で命を落とし、サンドラは老衰で命を落とした末、
ロベルトは記憶を思い出し、それをダニエルに告げる。
ループから35年後、ダニエルはパトカーを発見、「マルコ」となり次の世界に進む。
〇階段の世界
マンションの階段でのループ。
マルコ(元ダニエル)と、オリバー、その兄のカルロスが迷い込む。
カルロスはマルコに撃たれたことが原因で命を落とし、
その後35年間は二人で過ごす。
マルコは、ダニエルだったことを思い出してオリバーに告げた上で命を落とし、
オリバーは迷った末に「カール」となり次の世界に進む。
〇ホテルの世界
ホテルの1フロアでのループ(と思われる世界)
カール(元オリバー)と新婚夫婦が迷い込む。
夫の方は恐らくハチに刺された影響で命を落とし、
その後、35年後にカール(元オリバー)が記憶を取り戻し、
妻の方に事実を告げた上で命を落としたと思われる。
〇エスカレーターの世界
冒頭などで少し描かれていた世界。
恐らくはホテルの世界から別の世界へと進み
記憶を失った新婦と誰かが35年間過ごし、
エスカレーターで老いた新婦が倒れているシーンに繋がっている。
ループの仕組み
作中で確認できるループの仕組みは下記の通りです。
・ループ世界は現実世界ではない
・爆発音が合図でループに突入する。
・食事の補給地点が必ず存在する(階段=自販機 道路=ガソリンスタンドなど)
・現実世界で過ごす人間のためのエネルギー源のようなものになっている
・基本的に「若い人」「年配者」「犠牲者」の3人組でループに巻き込まれる(道路の世界のみ例外)
・35年間ループ世界の中で過ごした後に「年配者」の方が以前のループの記憶を思い出し命を落とす。
・「年配者」が命を落とした後に「次の世界」に進むためのものが出現する。
・「若い人」はそれに乗ることで次の世界へ進むも記憶を失い別人となり、今度は「年配者」側になる
・「年配者」が何を伝えても、次の世界に向かう「若い人」はそれに逆らえずに
記憶も失い、ループは永遠に続く
このような形になっています。
作中の犠牲者ネタバレ
「パラドクス」の作中で犠牲になった登場人物を
ご紹介していきます。
それぞれ、映画内で描かれた順に記載しています。
〇カルロス(ループ世界)
オリバーと共に刑事から逃げる際に銃撃を受けて負傷。
その後、ループする階段に閉じ込められたことで
治療を行うことが出来ずに息を引き取る。
〇カミーラ(ループ世界)
ループする道路に閉じ込められた一家の娘。
元々持病を抱えていたため、治療を行うことが出来ずに
息を引き取ってしまう。
〇サンドラ(ループ世界)
ループする道路に閉じ込められた一家の母親。
長年ループに閉じ込められた末に老衰で命を落とす。
〇ファン(ループ世界)
ルーベンの友達。舟の上でループする世界で
川下りの際の事故が原因で命を落とす。
〇ロベルト(ループ世界)
ループする道路で35年を過ごした後に、自分は
以前別の世界でルーベンとしてループしていたことを思い出し、
そのことをダニエルに告げた上で息を引き取る。
〇マルコ(ループ世界)
ループする道路で35年を過ごした後に、自分は
別のループ世界でダニエルであったことを思い出し、
そのことをオリバーに告げた上で息を引き取る
〇ロベルト(現実世界)
最終的に家族と上手く行かなくなり、
風呂場で自ら命を絶っている場面が描かれている
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