映画「ザ・タワー」のレビュー!闇に閉ざされた団地を描く作品。

映画

「ザ・タワー」は2022年制作、2024年に公開された映画で、
それまで普通の生活を送っていた団地が、
突然、闇によって外部と遮断され、
住人たちが、団地から出られない状態になってしまう姿を
描く作品です。

団地の出入り口は「何も見えない闇」(窓も含む)と
なってしまっていて、そこにモノを投げ入れると消滅、
人間も例外ではなく消滅したり、一部分だけ闇の中に入ると
その部分がなくなってしまったりするなど、
異様な状況で、住人たちが孤立してしまいます。

この映画を見た感想をお話していきます。

ちなみに、ホラーっぽい雰囲気ですが、
そんなにホラーな要素はなく、
(シチュエーションは怖いですが)
ホラーが極度に苦手でなければ大丈夫だと思います。

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題材・アイデアはとても面白そうに感じた

団地が突然闇に包まれて(中の電気系統は無事)、
外に出られなくなってしまう…というアイデアは
シンプルながら面白いと感じる内容で、
個人的にもそのあらすじに惹かれる形で
本作を見ることにしました。

団地から出られなくなった人々の行動や、
闇の正体、どうしてそうなってしまったのかなどなど、
色々気になりますし、
見る前の期待度はそれなりに高いものでした。

ただ…

謎は何も明かされない。オチもない

残念なことに、”謎”は最後まで
何も明かされず、
”闇”は一体何なのか、
どうして団地はこのような状況になってしまったのか、
外はどうなっているのかなどなど、
一切の謎が明かされません。

最後まで”謎の闇に包まれている”状態で
原因も、理由も、闇に飛び込んだものは実際のところ
どうなったのかも何も明かされません。

最後に何かオチがあるのかと思いきや、
ジワジワと追い詰められていくだけで、
何も明かされず、何も解決しないまま終わってしまうので
「え?これで終わり??」感がかなり強い作品でした。

てっきり、最後の方で追いつめられた主人公が
一か八か闇に飛び込んで、
その先に何か(ハッピーエンドなら、実は外に繋がっていて出れた、
バッド系のエンドならそのまま消滅など)広がっているオチかと、
個人的には予想していましたがそんなこともありませんでした(笑)

終盤、映画の残り時間が減るにつれて嫌な予感を感じながら
見ていましたが(※残り時間的に何も解決しないのでは?という感じ)
案の定でした…。

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登場人物が多すぎて混乱

人が多いのは良いのですが、
メインとモブキャラの棲み分けが上手くできておらず、
次々と名前を出したり、
メインじゃないキャラの描写を長々描いて、それ以降何もなかったり
そういうシーンが目立ち
”誰が誰だか分からない”感じに陥りがちです。

もう少し、描く人物を絞り、他は背景・脇役に徹するような感じで
描いた方が良かった気がしますね…。

私は結構、脇役まで含めて登場人物を覚えるタイプなのですが
この映画に限っては、そんな私でも混乱しました。

終盤でいきなり「ババがやられた」みたいに仲間が
悲しんでいるシーンがありましたが、
”そもそもババなんていた?”みたいな感じです(笑)

その割にメインっぽいキャラが急にあっけなく退場したり、
急にいなくなっていたりと、こういうあたりも気になるところです。

大事なところをカットしていて困惑

作中では「2年後」「5年後」のように急に場面が
飛ぶところが何度かあるのですが、
その”飛ぶ場面”が、
”これから大事なシーンが描かれそうな部分”で入ることが多く
「え?そこカットする???」みたいな感じの展開が
何度もありました。

結局”カットされたあと何が起きたのか”もあまり描かれておらず、
これが”急に登場人物が減ってる”にも繋がっているので、
何故、あまり関係のないシーンをダラダラ描く割に
大事なところはスキップしてしまうのか、
ちょっと最後まで意図が読めませんでした(汗)

不自然に感じる部分も多め

作中の描写が不自然に感じる部分も多く、
5年(または7年?)後まで
食料や電気の問題をクリアしている点については
あまり明確には語られません。
(食べ物は犬や猫で補っているようでしたが
それだけではあんな年数足りない気がするので…笑)

特に電気は謎で、時折停電している様子であるものの
結構長い時間、電気が通っていた様子なのは、
謎でした。
(作中では電気については誰も言及しないので特に理由は分かりません)

闇に隔てられているだけで、電気は外界から送電
されていたということなのでしょうか…?

この題材でこうなってしまうとは…

”団地が闇に閉ざされてしまう”というアイデアは
とても面白いアイデアだと思うのですが、
その素材から、ここまで微妙な感じになってしまうとは、
逆にびっくりでした…。

素材はとても良いですし、
設定なども面白いので、
後は味付けさえしっかりしていれば
とても面白い映画が出来たと思うのですが
残念ながら本作は、終始暗いだけで
何も解決しない、見終えたあとも「??」と
なってしまうような、作品でした。

もし次回作があるのであれば
今度こそ、良い味付けでの作品を
見てみたいものです。

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作中の犠牲者ネタバレ

「ザ・タワー」の作中で犠牲になってしまった
登場人物をご紹介していきます。
※作中の時系列順に並んでいます。
※名前が語られていないキャラ、省略されていつの間にか
いなくなっているキャラは覗いています。

〇ドゥマ
アシタンの弟。階段を降りている最中に
他の住人の持っていた突起物が刺さってしまい、命を落とす。

〇アメッド
アシタンの友人。他のグループによって
闇に放り投げられて命を落とす。

〇ババ
生存者の一人。アントンが遺体となったババを見舞っている。
(命を落とした原因は不明)

〇グレゴリー
生存者の一人。仲間たちを裏切ったことで始末される。

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