百舌シリーズは、
逢坂剛先生による小説で、
数々の陰謀が張り巡らされた
サスペンス系統の小説になっています。
テレビドラマや映画で放送された
「MOZU」シリーズの原作となっている作品ですね。
読み始めたきっかけ
私が読み始めたのは
テレビドラマのMOZUを見たことが
きっかけでした。
それまでこの百舌シリーズは知りませんでしたが
テレビをきっかけに読んだ感じですね。
テレビシリーズとは異なる部分も多いですが
小説は小説ではまり、最終的には
今現在発売されているすべてのシリーズを
集めました笑
その感想をお話していきます
※MOZUレビューの方にドラマ、映画版の感想や考察を
まとめてありますので、そちらも良ければどうぞ!
裏切りの日日 感想
ドラマで放送されたMOZUシリーズの原作とも言える
シリーズの一つです。こちらの小説はその前日譚的な話ですね。
高層ビル占拠と大物狙撃事件、2つの事件に潜む謎を
追っていきます。
読みやすい
後々の百舌シリーズは、かなり複雑に人物が絡み合いますが、
それに比べるとこの裏切りの日日はシンプルで読みやすいです
(ひねりが無い、というわけではなく良い意味で)
2つの占拠事件を中心に最後まで物語がぶれることなく、
展開されていきます。
最後の展開は・・・
最後の展開は個人的に衝撃的でした。。
物語の主人公だった桂田が実は事件の中心的人物の一人で、
本性を現した挙句、撃たれてされてしまうとは・・・。
彼も完全なる”悪”というわけではないので、
色々考えさせられる小説ですね
MOZUとのつながり
MOZUの主役である倉木などは登場しませんが、
津城がこの物語にも登場しています。
相変わらずの捜査能力(汗
他にも同時に起きた2つの事件、というのがなんとなく
劇場版MOZUの序盤を連想させますね・・・
桂田さんの狙撃能力・・・
作中で大物を狙撃したのは
主人公の桂田なのですが・・・遠くの、、それもとても遠くの
ビルから狙撃して仕留めるとは・・・
なんという狙撃能力・・・!
私は1巻→2巻→3巻→4巻と百舌小説を読み、
そのあとにこの0巻とも言われる 裏切りの日日を購入したのですが、
案外楽しめました。
最後の展開はなかなか衝撃的だったので、
今でも印象に残っています。
百舌の叫ぶ夜 感想
逢坂剛先生による小説、百舌シリーズの第1巻となる小説です。
爆発事故の裏に潜む陰謀と対決していく物語で、
複雑な人間関係なども描かれます。
ドラマよりさらにハード
ドラマ版のMOZUも十分ハードな描写が多かったですが、
小説版はさらにハードです。
残酷な描写などもあるので、読む際には覚悟が
必要かもしれません。
東と中神は登場しない
ドラマMOZUで人気だったアテナセキュリティの東と
中神は登場しません。と、いうよりアテナセキュリティも
登場しません。
室井や若松などの人物は登場しますが・・・
展開はドラマ版と似ている唯一の作品
百舌シリーズの2巻以降は登場人物などは共通ながら
ドラマ版とは全くの別物です(勿論面白いですが)
ドラマ版と同じシーンが数多く存在するのは
この1巻のみ。
そういう意味では貴重ですね。。
もちろんドラマと全く同じではない
とは言え、原作小説とドラマは全く同じではありません。
最終決戦は病院(ドラマでいう6話のようなところ)で
行われ、記憶を取り戻した新谷が一気に室井や若松
小説の敵である野本らを始末して、物語は終わる、という感じです。
時系列がコロコロと変わる
以降の百舌シリーズには無いのですが、この1巻は
結構時系列が行ったり来たりします。
その為、アレ?この人さっきやられなかったっけ?みたいなことも
度々。。
じっくり読まないと置いていかれるかもしれません。。
読み応えのある楽しい小説でした。
数日で全部読み終えてしまうぐらいに・・・(汗
ドラマ版とは良い意味で展開も多少異なるので
そういう意味ではドラマを見ていても、いなくても
楽しめる良い小説だと思います。
まぁ、個人的には2巻以降の方がさらに好きなのですが。。
幻の翼 感想
逢坂剛先生による小説、百舌シリーズの第2弾。
公安省設立をもくろむ森原との戦いがメインになりますね。
前作以上に複雑な物語が展開されます。
MOZUシーズン2 幻の翼とは・・・
ドラマ版のシーズン2と同じタイトルですが、内容はほぼ別物です。
ストーリーが全く違います。
共通点としては森原や新谷が出てくること(結末は違う)
池澤と池澤が名乗っていた偽名、栗山という人物が出てくること(別人)
明星とスモロフのやり取りと同じようなやり取り(相手はスモロフではない)
があること、、
あたりでしょうか。他は全くの別物です。
別物だからこそ・・・
この幻の翼、別物だからこそ、1巻の百舌の叫ぶ夜よりも
さらに楽しめました。
先が気になり、気づけば2日か3日ぐらいで読み終えてしまいました。。
さらにハードな描写
前作よりもさらに描写がハードです。
ロボトミーと呼ばれる手術の様子が生々しく描かれたり、
暴力表現がかなり強かったり・・・。
苦手な人にはきついかもしれません。
ちなみに、読んでいてロボトミーって何だ?と思って
調べましたが昔の術式だったようで。。
敵方が大勢・・・
幻の翼、シリーズの中でも”敵方”に位置する人物が多いです。
森原をはじめ、栗山、桐生、千木良などなど・・・。
個人的には人間臭い千木良が印象に残りましたね。
悪いやつですが、なんとなく人間味があるというかなんというか。。
新谷の正体
これは意外でした!私は結構色々な物語を読んだり、
見たりしているので、先の展開が予想できてしまうことも多いですが
あの展開は予想できませんでした
さすがの内容です!
百舌シリーズの中でも2番目に好きな作品です!
何回か読み返したぐらいに。。
ドラマの幻の翼はほぼ100パーセント関係ありませんが、
読むと楽しいですよ!
砕かれた鍵 感想
逢坂 剛さんによる小説で、百舌シリーズの第3弾。
第3弾では、警察内部に巣くう邪悪な存在や、謎の新興団体などとの
戦いが描かれていきます。
ドラマ版では無いストーリー
一応、ドラマ版ではシリーズの第1弾と第2弾を原作として
映像化されていました。
この第3弾はドラマ版では存在しない、完全オリジナルのストーリーですね。
(まぁ、”幻の翼”も全然違う内容でしたけど…)
個人的には…
個人的には1巻や2巻、このあとの4巻の方がお気に入りです。
まぁ、これは好みの問題ですが、敵サイドの人物がイマイチ
だったような印象…
高柳はしたたかでなかなかアレでしたが、
高柳以外は小物が多かった印象です。
倉木が…
ドラマでも登場していた倉木が、この巻の最後に、高柳と銃撃戦に
なってしまい、殉職してしまいます。
まさか倉木が命を落としてしまうとは思いませんでした…
ちなみに高柳という名前はドラマ版の映画でも登場していますね
(フルネームが違うので別人)
この小説は映画を見る前に見たのですが、名前が一致しているので
最初は「まさか映画でも倉木が高柳に…」と思ったモノです。
ドラマとのつながり
ドラマとのつながりはほとんどありません。
倉木、大杉、明星、津城が登場するぐらいですかね。
後は権藤と高柳という名前が登場するぐらいです
(二人とも、映画のキャラとは別人です)
敵に回してはいけない
ドラマでもそうでしたが、倉木は敵に回してはいけませんね…
今回も闇に加担していた三宅という男が倉木にボコボコに
されました…恐ろしい(汗
上でも書いた通り、個人的には他の百舌シリーズの方が
好きだったりしますが、これはこれで楽しめました。
特に倉木の殉職は衝撃的でしたね…。
よみがえる百舌 感想
逢坂 剛さんによる小説で、百舌シリーズの第4弾にあたる作品です。
砕かれた鍵で、倉木が殉職、その後に残された大杉と明星を中心に
物語が展開されていきます
シリーズの中で…
原作小説の中ではよみがえる百舌が一番好きですね…
亡くなったはずの百舌(実際は模倣)が登場し、過去作のキャラクター
なども登場、さらには怪しい(?)新キャラクターの
残間や紋屋なども登場し、今までの作品以上に、展開が読めません・・・
過去作のキャラ
最初から読んでいる私にとっては過去作品のキャラが
出てきたのは良かったです。
栗山、水島、三宅などなど…。ほとんどの人物は始末されて
しまいましたけれど…
途中まで栗山は実は大物だったんじゃないか?と思ってましたが
やはり小物でした(笑)
真相…
真相はかなり意外でした。。最初の百舌は津城に指示されていた
三宅で、その三宅が紋屋に返り討ちにされ、それ以降は
紋屋が暗躍していた…と。
流石にこれは予想できませんでした。。
津城…
ドラマでも登場していた津城は、この巻で命を落とします。
2巻の傷の影響で、少し強引になっていたのだとか…
津城もよく計画を練っていましたが
まさか紋屋があそこまで危ない人だとは思ってなかったのでしょうね
(一応、栗山を通して三宅に警告はしてましたが)
倉木はいないけれど…
初期の主人公、倉木は前巻で殉職してしまったので登場しませんが、
違和感なく読めました。。
最初は倉木居なくて大丈夫なのか?なんて思っていましたけれど!
残間…
残間、、なかなかいい味を出しているキャラクターですね。
ギリギリまで怪しい雰囲気を出していて、
犯人なのか、そうでないのか判断が難しいところでした…
残間は5、6巻にも登場するレギュラーキャラに!
百舌シリーズの小説で一番好きな作品です。
とにかく先が気になったので分厚い小説でしたが
結構短い期間で全部読んでしまいました^^
のすりの巣 感想
逢坂 剛さんによる小説で、百舌シリーズの第5作にあたる
作品です。前作までと同様、大杉と明星の活躍を描く作品ですね。
今回は「ノスリ」と呼ばれる謎の存在を追いかけます。
前作に比べると…
個人的には前作「よみがえる百舌」と比べると地味だった印象。
もちろん、この作品も面白いのですが、最後のオチや
黒幕の正体がイマイチ…。
ノスリとされる人物も、どうしても小物感が漂ってしまっている
気がしてなりませんでした…
女性刑事…
かりほ、と言う変わった名前の女性刑事が黒幕の一人。
まぁ、これは最初から分かりきったような雰囲気でした。
ただ、ヒステリー気味なだけで、前巻の紋屋ほどの
不気味さは感じませんでした。
個人的には、、ですけどね。
おなじみのキャラクター
おなじみのキャラクターは今回もしっかり登場します。
大杉と明星のペアはすっかりおなじみになりましたね…。
ただ、ドラマ版を考えると倉木が発狂しそう(笑)
原作の倉木は殉職してしまいましたからね…。
あとは、前巻の残間も登場しています。
次回作にも影響が
最新の「墓標なき街」にもかりほの関係者が出てくるなど、
読んでおいて損はない作品です。
墓標なき街は個人的にそこそこ好きな作品なので、
それを楽しむためにもこれを読んでおいてよかったとは思います。
この巻自体は個人的にはイマイチな印象。
好きな順に並べると
よみがえる⇒幻の翼⇒裏切りの日々⇒墓標なき⇒百舌の叫ぶ⇒砕かれた⇒のすり
ですね(汗
墓標なき街 感想
逢坂 剛さんによる公安小説、百舌シリーズの最新作です。
今回で通算6巻目(裏切りの日日を入れれば7冊目)になる
作品です。前の巻から大分間が空いていますが、
ちゃんと前作までの内容が継承されています
ドラマに影響されず…
ドラマ版放送後に発売されたのはこの墓標なき街が
初めてだったので、ドラマに影響されてるのではないか?とも
思いましたが、ちゃんと原作テイストがそのまま継承された
作品に仕上がっていました。
ドラマはドラマ、原作は原作だと思っているので
これは嬉しいことでした!
今回も…
今回もなかなか先が気になる展開でした。
またまた怪しい人物が多かったですからね…
特に布を被った男は不気味でした…
「よみがえる百舌」が一番好きなので、そこに出ていた
紋屋の名前が再び出てきたのには驚きでしたね…
おなじみの人物も…
前作、のすりの巣から大分間が空いていましたが
ちゃんとおなじみのキャラクターも登場していました。
残間や大杉、明星はもちろん、紋屋やかりほの名前、
そして稲垣などの今まであまり目立ってない人物も
登場していました。。
まだ続きそう…?
しかし、最後の終わり方…
これはまだまだ続きそうな雰囲気ですね。
次がいつになるかは分かりませんが、もし発売されるのであれば
その時は新品で購入したいとは思います。
間が空いているので
ドラマのMOZUを見てから原作を読み始めたので
半年ぐらいしか間が空いてませんが、当時、のすりの巣を読んだ方に
とってはかなり年数が空いていますよね…
しかも、結構前作とのつながりをしれっと出してくるので
ある程度読み直し(?)しておいた方が良いかもしれません
個人的にはなかなか好きな小説です。
ただ、シリーズ1番にはなれませんでした(個人的には)
ちなみに、小説はドラマとは違う独自の展開を進んでいるので
別物として楽しむことをおすすめします!