映画「2067」のレビュー!酸素が無くなりつつある世界を舞台とした作品

映画

映画「2067」は、2020年に公開された映画で、
酸素が無くなりつつあり、崩壊に向かっている2067年の
地球を舞台とした作品です。

主人公は、その世界を救うためのカギを探すべく、
407年後の未来に飛ぶことになる…という物語が
展開されていく作品です。

タイムトラベルの要素とSFの要素が盛り込まれた作品ですね。

こちらを実際に見た感想をお話します。

スポンサーリンク

未来に行って、現代を救う話

作中の世界(2067年)では、植物が全滅状態で
酸素が無くなり、多くの人間が命を落とした上、
住める地域も限定されている状態で、
クロニコープ社と呼ばれる会社が人工酸素などを供給して
なんとか生きながらえているものの、その副作用による
病気なども蔓延しているという完全に”終わりかけている”世界でした。

そんな世界を救うためにクロニコープ社の部門責任者のレジーナたちが
開発したタイムトラベルを可能にするゲートで、
主人公のイーサンが407年後に向かい
(407年後から”イーサンをこちらに送れ”とメッセージが届いたため
主人公が選ばれました)
未来で、地球を救うための手がかりを探していく話になっています。

SFやタイムトラベルが好きな人には興味深い題材ですね。

世界観はなかなかいい感じ

映画開始すぐにタイムトラベルするわけではなく
前半は2067年での物語が描かれます。

酸素を奪い合っているような混沌とした世界での暮らしは
もう少し見て見たかったような気もする作り込みで、
印象に残りました。
結構、細かく色々なところが設定されているのもいいですね。

一方、407年後の未来は人類が既に全滅している
世界であるために、植物に包まれた状態となっていて、
こちらはあまり未来感は感じられないような、
そんなイメージでした。

なお、未来に行ってからは、あまり広い範囲を行動せず、
登場人物も二人なので、やや、寂しい印象を受ける展開ではあります。

スポンサーリンク

タイムトラベル的要素は混乱する

タイムトラベルの要素は本作では
結構混乱する感じで、
未来に到達した主人公は、既に遺体となっている”自分”を
見つけますが、このあたりの流れが最後には
変わった理由がイマイチ不明瞭だったり、
後から主人公の援護に駆け付けたジュード(主人公の兄貴分)の
行動もイマイチ謎だったりと、
見ていて混乱する部分もあります。

最後に何故歴史が変わったのかも含めて
やや、辻褄が合わないような部分もある気がしますが、
”あまり深く考えずに見れば”個人的には十分楽しめる感じでは
ありました。
(一応、下記に私なりの考察も書いてはおきました)

また、主人公の父親の行動も、
息子(主人公)に変な腕輪を説明もなくつけたりと、
若干「え?」という感じはありました。

最後は…「それでいいの?」

主人公が未来に送られたのは、クロニコープ社のレジーナの陰謀で、
レジーナは「未来で地球を救う鍵を探してきてほしい」と言っていましたが
実際には「未来からゲートを開かせて、自分たちと親しい人物たちだけ
酸素のある未来に逃亡して、生き永らえる」のが計画でした。

最終的に、主人公はそれに気づき、ゲートでレジーナたちが
転送されてこないようにし、逆に未来⇒現代に未来の世界で
伐採した植物を雑に転送、そのままゲートを閉じて
レジーナたちの目論見を阻止しました。
(主人公は元の時代に帰ることはできませんでした)

結果、この植物たちのおかげで人類は助かった模様で、
歴史も変わり、主人公のいる未来の歴史も変わり、
ラストシーンでは未来都市のようなものを発見してエンドになります。

ただ…元々地球上にあった植物が全滅状態になるような世界に
”あんなに適当に伐採した少量の植物”を送っただけで
再生してしまうとは…「え!?」という感じでした(笑)
(※もしかしたら未来の植物なので、現代の植物より枯れにくいとか
 そういうのがあるのかもしれませんが)

2067の考察

2067の気になる部分を考察していきます。

・どうして歴史は変わったの?
作中の描写を見る限り、作中以前にも2067年からイーサンが
407年後に転送され、そして失敗、ジュードに撃たれて命を
落としている…という結果を迎えているものと思われます。
しかし、作中では同じ結末を辿らずにイーサンはジュードを説得、
最後はジュードが改心するような形で自ら命を絶ち、
結果は変わり、現代が救われて未来の世界にも都市が出現しました。
このことから”以前”とは何か条件が変わったものと思われます。
(同じ条件なら、イーサンはジュードに撃たれてまた命を落としていたはずで
イーサンの言動も恐らく変わらなかったはず)

何かが原因で”前とは変わった”とすれば、
イーサン本人が、”前の時に失敗した自分自身”の遺体を見つけたことが
トリガーになったと思われます。
自分の運命を先に知ったことで、ジュードに同じように撃たれそうになった際に、
発する言葉が少し変わり、またジュードの方も、先にそういう話を
聞かされていたことで、行動に変化が生じて
結末が変わったのだと思われます。

このことから、作中で描かれたのは”2回目”の部分なのではないかと思われます。
(1回目のイーサンはジュードに撃たれて命を落とし、
2回目(作中の)イーサンは1回目の時のイーサンの遺体を見て行動が変わった)

3回目以降だとすると、
”2回目の時のイーサン”も、最初の時の遺体を発見しているはずで、
その時も失敗したなら、3回目も4回目も(自分の前の遺体を発見しても結末が
変わらなかったということなので)変化することはなく、
永遠に失敗するはず…だと、そう思うので…。

・作中のジュードは何度も繰り返しているの?
そういうことではなく、1度目の時のイーサンの命を奪ってしまった時間軸のジュードと、
映画内のジュードは”別”だと思われます。
(ジュードがイーサンを撃った後に、またイーサンを転送する前の時代に戻ることを
繰り返していれば別ですが、そんなことしないでしょうし、
自分が転送された時点より前に戻ると、恐らくジュードが二人になってしまうので)

作中の犠牲者ネタバレ

映画「2067」の作中で犠牲になってしまった登場人物を
時系列順にご紹介していきます。

〇リチャード・ホワイト
クロニコープ社でタイムトラベル関係の研究を行っていたものの、
責任者のレジーナ・ジャクソンと意見が分かれて、
レジーナに撃たれて命を落とす。

〇セレーネ・ホワイト
イーサンの母。イーサンの少年時代に、
酸素を狙う男たちに銃撃されて命を落とす。

〇ジュード・マザーズ
イーサンの兄貴分的存在。未来の世界に後からやってくるも
レジーナの仲間であったことが判明、
最後はイーサンと対峙するも、イーサンの呼びかけに
「俺が変われなかったのか」と言葉を残して自ら命を絶つ。

映画レビュー一覧へ戻る
「2067」以外の映画のレビューは↑からご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました