「ウイルスシャーク」は2021年に公開された映画で、
サメによって感染症が拡大、
その治療薬を開発する研究施設を中心に物語が
描かれていくサメ映画です。
こちらの作品を実際に見た感想を
お話していきます。
サメによる感染拡大に立ち向かう映画
作中ではサメによって謎の感染症が拡大している状況で、
主人公の研究者たちは、それに立ち向かうべく、
治療薬の開発を進めている状態でしたが、
その研究所内でも感染者が出たり、裏切者が出たりしながら
物語が進んでいきます。
ただ…その内容は多数のサメ映画を見てきた私でも
結構苦しい感じだったので、
B級映画慣れしている人でないとおすすめできません(汗)
サメの意味がほとんどない
サメ映画ですが、サメの存在価値がほとんどなく(笑)、
”え?サメである必要なくない?”という感じの内容です。
サメはあくまでも研究施設で実験用に
飼育されている設定で、
あまり直接的に人間と対決することはなく、
寧ろ人間や、感染して化け物になった人々の方が
メインの敵になります。
サメの出番が本当に少ないので、
無駄にサメが泳ぐシーンが挿入されるなどして、
”サメ映画である意味とは?”と不思議に思ってしまうぐらいです。
演出やセットも厳しい
場所はスタジオ感丸出しの感じで、
最初はメイキング映像かと思うぐらい、
映像処理が微妙な感じでした。
また、演出もB級映画を多数見てきた私でも
「うーん…」と思うような内容で、
アームでサメを掴むシーンや、
ポッドの爆発シーン、登場人物が犠牲になるシーンなどなど
かなり、低予算であることが浮き彫りになっているような感じでした。
(ただ、ウイルスのCGみたいなやつや、終盤の潜水艇はそれなりに良くできてた気も)
終盤では他の登場人物が左右からジャンプするようにして
登場したり、登場人物の登場の仕方も「えっ!?」って感じの演出で
なかなかシュールな光景を見ることができます。
登場人物もデューク(研究施設の兵士)がいかにも
コスプレ感が出てしまっていたり、
主人公が緊迫したシーンでも時々笑ってるような表情を
していたり、
ゾンビのようになったアンの不可解な行動だったり
(自我があるような感じなのに仲間を襲ったり)、
全てにおいて、ツッコミどころの多い作品ですね…
ちなみに、銃を撃つ描写もありますが
効果音が妙にショボいです(笑)
研究所脱出後の展開
研究所でのいざこざは途中で終わり、
終盤は地上での物語が展開されますが、
これが無理矢理付け足したかのような感じの展開で、
感染者らしき三人に絡まれて、
さらには昭和時代の仮面ライダーの怪人のような
変な化け物(※作中では略奪者と呼ばれる)が登場、
それらにも襲撃されます。
あの怪人みたいな人々の格好はもはや笑うしかないので、
これは逆の意味で見どころと言えます。
これってサメ映画じゃなかったっけ?と、
不思議な気持ちになれます。
ついでに、主人公に絡んだ三人組の一人も、
名前が「ポンコツ」なのも笑いました
(終始そう呼ばれて名前が不明のまま犠牲になります)
不可解な演出や登場人物の行動
演出面などだけではなく、ストーリーも不可解な部分が多く、
特にラストの主人公の行動はもはや理解不能です。
終盤では主人公が兵士によって助けられて、
治療薬を手にした状態で潜水艇に乗り込むのですが、
何故か治療薬を見つめながら、急に治療薬ごと海に身投げして、
それでおしまいです。
「え?何やってるのこの人?」状態です(笑)
あまりにも不可解で「なんだこれ」と、心の底から思いましたね…
一応、無理矢理考えるのであれば、
直前に”残った人間は100人ちょっと”みたいなことを言われているので
それに絶望したのか、
あるいは自分自身が感染したため(※ただ、治療薬は手元にあった)、
絶望したのか…
そういう理由も考えることはできますが、
それにしても、せっかく作った治療薬ごと身投げする=
他の生き残り100人以上のことはどうでもいい と、考えているわけですし、
あまりにも不可解な結末に首を傾げるしかありませんでした…。
途中でも、ゾンビ化したアンが仲間たちに襲い掛かったシーンの直後、
急にアンがいなくなってたり、不可解な展開がいくつもありました。
ネタとして見る以外はおすすめはできない
数多くのB級映画やサメ映画を見てきた私でも
苦しむぐらいの内容だったので、
私のように”ネタとして見る”人以外にはおすすめはできません。
サメ映画の中でもかなり微妙な部類で
個人的には「ジュラシックシャーク(初代)」と並ぶレベルだったので、
見る場合は覚悟が必要だと思います。
シャークネードやシャークトパス、ゴーストシャークなどなど
割とイイ感じのB級サメ映画より”さらに闇が深い”感じです(笑)
それでいて「ウィジャシャーク」ほど開き直っているわけでもないので、
なかなか苦しい内容でした。
作中の犠牲者ネタバレ
「ウイルスシャーク」の作中で犠牲になってしまった
キャラクターをご紹介していきます。
作中の時系列順に並んでいます。
〇グレゴリー
研究者の一人。仲間を裏切って逃げ出そうとするも、
サメによりエレベーターが爆発して命を落とす。
〇アン
研究所内でウイルスに感染、仲間を襲おうとした際に
デュークによって撃たれて命を落とす。
〇デューク
研究所内の護衛役の兵士。脱出ポッド前までたどり着くも、
残り込むことが間に合わずに命を落とす。
〇リクター
研究所の技術者。脱出ポッドで浮上中にポッドごとサメに
襲撃されて命を落とす。
〇ポンコツ
生存者の一人。本名不明。突如出現した
ゾンビのような怪物に命を奪われる
〇ジョジョ
生存者の一人。ボートを用意している最中に
サメに襲われて命を落とす。
〇メイス
生存者の一人。ジョジョが命を落とした直後に
兵士によって撃たれて命を落とす。
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