映画「ラディウス」は、2017年に公開された映画で、
主人公のリアムが記憶喪失の状態で目を覚まし、
しかも、自分の周囲半径15メートルに入った生き物は
命を落とすという謎の能力のようなものを
身に着けてしまっている状態になっていることに気付く…
という内容の物語が描かれます。
自分に近付いたものは次々と倒れていく…という設定は
なかなか斬新で目を引く作品ですね。
こちらの映画を実際に見た感想をお話していきます。
記憶喪失+謎の能力
主人公のリアムは記憶喪失の状態かつ、
謎の危険な能力を身に着けた状態になっていて、
最初は自分でもその力の秘密が分からないまま、
周囲をウロウロしてしまったことで、
たくさんの人が命を落としてしまいます。
(最初は主人公も空気感染のウイルスか何かを疑っているような
素振りを見せていました)
やがて、リアムは”自分が原因”であることに気付いて
他の人と接しないように隠れ家で過ごしますが、
そこに、リアムが意識を失っていた原因となった事故に
同じく巻き込まれたジェーンを名乗る人物がやってきて、
”ジェーンが近くにいると自分の能力が発動しない”ことに気付き、
共に行動をしていくことなります。
アイデアと、導入の部分は「見たい」と思わせる内容かつ、
気になる内容で、なかなか面白い作品だと、個人的には感じました。
アイデアの面白い作品
主人公の置かれた状況が、他の映画では
なかなか見ることのできないシチュエーションで
興味深く鑑賞することができました。
主人公は、ある意味超人的な力を手に入れながら
”できるだけ人を傷つけないように”するのですが、
その力ゆえに、警察にも”謎の方法で人の命を奪っている容疑者”
扱いされてしまい、追われることになってしまったり、
ジェーンが近くにいれば、その力が発動しないという状況も
警察に連行されそうになって犠牲者を大量に出してしまうなどなど、
独特な設定だからこそのシチュエーションを楽しめます。
やや雑な部分(後述)もあるにはありますが
全体的には最後まで楽しみながら見ることができる作品でした。
終盤の展開も驚き
主人公とヒロインのジェーンは互いに記憶喪失で、
最初は描写から”何かの実験にでも使われた人たちで、
研究施設から逃げ出して来た…とかそんな感じかな?”と
思っていたのですが、全然違いました(笑)
途中で出て来たジェーンの夫であるというサムという
人物も、最初は怪しい感じがしていましたが、
全然怪しくないなど、個人的に結構予想を外してしまいました(笑)
※サムはただの善人でしたね…。
衝撃だったのは、主人公のリアムは
元々、失踪した人々の原因(行方不明のヒロインの姉もリアムに
命を奪われていた)となっている危険人物で、
記憶を失う直前には、ジェーンともトラブルになっていたことが
終盤で判明したことですね…。
記憶喪失になっていたリアム自身が、元々「超」がつくほどの危険人物
だったということになります。
ただ、”記憶を取り戻したあと”は、
どっちに転ぶのか(元の自分に戻るのか、改心するのか)と思っていたら
彼は改心した様子で、最後には自ら命を絶つ選択をしています。
(一瞬、記憶を取り戻した途端にまた悪党に戻るのかとも思いましたが
記憶を失っている間に行動していた自分の意思の方が強く残ったようで、
最後には改心していました)
主人公が元々悪党だった、というのは少し予想外で
個人的には驚きました。
力を得た理由は「雑」。詳細も明かされない
一方、終盤の↑の展開とは別に、
主人公らが力を得た理由や、記憶を失った理由も明かされますが
それが「宇宙からの未知なる雷に打たれたこと」でした。
これについては最後まで詳細が明かされずにあっさり終わってしまうので
「とにかく、そういう力を得たんだ」ぐらいの強引な内容で、
特にそれ以上の理由は説明されていません(笑)
映画を面白くするために、”その能力”が必要だっただけで、
特に能力を得た原因となった現象は映画内では細かく言及されず
雑な印象を受けました。
最後が急にあっさり
終盤の展開は驚きもあって面白かったのですが
最後は急にあっさりとした感じで
終わってしまい「え?これで終わり?」という感じでした。
ジェーンもリアムも記憶を取り戻して
お互いに対立していた際に、3人組の男が絡んで来て
その際にジェーンが負傷、
リアムは病院へとジェーンを運び込んだ後に
自ら命を絶つ、というシーンで物語は終了してしまいます。
大分重症っぽく見えたジェーンが助かったかどうかも
分からないまま終わってしまい、
夫のサムもリアムたちと別れたシーンでフェードアウト
してしまうなど、少し最後はあっさり過ぎるような感じでした。
それでも、全体的には面白かったですが、
それだけに、少しこの辺りは気になりました。
作中の犠牲者ネタバレ
「ラディウス」の作中で犠牲になってしまった
登場人物をご紹介していきます。
作中の時系列順に並んでいます。
(※名前が語られていないキャラは掲載していません)
〇リリー・グレイソン
ジェーン(ローズ)の姉にあたる人物で消息不明。
終盤で記憶を失う前のリアムによって湖に
沈められて命を落としていたことが判明する。
〇メラニー・ウォーカー
リアムの力によって犠牲になった人物の一人。
ニュースで報じられていた。
〇リアム・ハートウェル
主人公。終盤で記憶を取り戻し、
その直後に負傷したジェーンを病院に送り届けたあと、
自分の罪を償うため、そしてこれ以上の犠牲者を出さないために
自ら命を絶つ。
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