「PORTALS(ポータルズ)」は2019年に公開された映画で
”ポータル”と呼ばれる謎の扉が出現、
その扉に纏わる物語が描かれる作品です。
作中では4つの視点で、それぞれの登場人物たちの
結末が描かれる形になっていて、
急に登場人物がガラリと変わったりする描かれ方になっています。
(順番が少しバラバラに出てきますが、4つの短編集みたいな感じですね)
こちらを実際に見た感想をお話していきます。
謎の扉を巡る「不気味さ」を味わえる作品
作中では”正体不明の扉”が出現、
その扉は”どこかへと”繋がっている模様で、
人間がその扉に入ると、消滅してしまいます。
また、扉は謎の音を発しているほか、
人間を操るような力も持っていて、
”得体の知れない不気味な存在”として描かれています。
この”扉の不気味さ”は非常によく描かれていたと思いますし、
若干ホラーっぽさも感じました。
(怖いのが苦手な人は駐車場の話とか、あの辺は少しきついかもしれません)
4つの視点で描かれる
物語は主に4つの視点で描かれ、
①家族で避難しようとしていた父親の物語
②扉が出現して戸惑うコールセンターの人々の物語
③駐車場で人々の異変に見舞われる姉妹の物語
④扉を研究する二人の物語
が、バラバラに出てきます。
4つの話は”扉”以外に繋がりもなく、
扉の設定も若干食い違っている(?)感じもあり、
さらには、順番がバラバラに出て来るので、
少しまとまりがないような感じにはなってしまっています。
最初はそれぞれ繋がっていく映画なのかと思いましたが
最後まで見ても4つの話は一切それぞれ繋がっておらず、
それぞれの結末を迎えるので、短編集のような感じになっています。
なお、作中では
④⇒①⇒②⇒①⇒③⇒①⇒④の順番に登場します。
場面が急に変わるので、少し戸惑う人も多いと思います。
ホラー要素やグロ要素に注意
パッと見るとSF映画やディザスター映画のように見えるので
そのノリで見てしまう人もいると思いますが
”ホラー要素”と”グロテスクな要素”があるので、注意が必要で、
特に”グロ要素”はやたらと無駄に力が入っているので、
苦手な人は避けた方が良いです。
特に中盤あたりから、やたらと目の治療とか、
目を自分で取るとか、扉に頭ごと粉砕されるとか、
そういう描写が増えていくので、
苦手な人は注意しましょう。
また、ホラー要素はそこまで強くはありませんが、
とにかく、扉が得体の知れない感じで、
③の話(駐車場の話)や①の話の終盤(扉の中の世界の描写)などは
ちょっと怖い感じもあるので、
ホラーが極度に苦手な人は注意した方が良いです。
謎は全く解けない。それだけにより不気味に
映画内で”扉”の正体は全く分からないまま終わり、
何も解決しません。
”終わったあとには只々不気味な後味だけが残る”作品なので、
問題が解決しないのが苦手な人は注意です。
”扉”は終始正体不明で、
終盤でも作中の研究者らしき人物が
”分かりません”などと言っていて、
作中でもどうにもならない状態です(笑)
不気味さの演出としては良いのかもしれませんが、
あの扉が一体何なのかはやはり気になるところなので
個人的にはある程度の答えを知りたかったところです。
(見ている途中から、残り時間的に
”これ、絶対何も解決しないまま終わりそう”と思っていたら
案の定その通りでした笑)
各エピソードも何も解決しない
4つのエピソードも何も解決しない状態で終わるものが多く、
①の父親の話は、扉の向こうの世界で、
謎の声の思惑に打ち勝って、目を失ったものの家族と再会…
という話でしたが、
幻の世界と現実世界がごちゃごちゃになっていて、
最後、主人公が家族と再会したのも、現実なのかどうかも怪しい感じで
一見ハッピーエンドではありますが、かなり不気味な感じです。
②のコールセンターの話は完全にバッドエンドで
職員に犠牲者が出た上に、全員扉の向こうに行ってしまった?というところで
物語は終わり、何も解決していません。
③の駐車場の話も、散々ゾンビのようになった人に追い回された挙句、
扉の向こう側に飛ばされてしまい、状況が何なのか分からないまま
これも結末を迎えていて、とてもハッピーエンドとは言えない状態です。
最後の④の専門家の話もかなり不可解で、
この物語内では扉はワープできる扉のような扱いを受けていますが
扉を通ったアナという人物が急におかしくなって、
相方のジェームズの命を「私は未来を見た」と言いながら奪うという
これまたバッドエンドです。
全て、不可解な終わり方やバッドエンドを迎えているので、
後味としてはかなり悪い終わり方をするエピソードの多い作品です。
”不気味な未知との遭遇”の雰囲気は味わえますが、
人を選ぶ映画のように感じました。
作中の犠牲者ネタバレ
「ポータルズ」の作中で犠牲になってしまった登場人物を
作中で描かれている順番にご紹介していきます。
〇ロバート
職員の一人。錯乱したスタンに撃たれて負傷、
そのまま息絶える。
〇ドリー
職員の一人。錯乱したスタンに撃たれて負傷、
そのまま息絶える。
〇スタン
謎の扉に入れて貰えずに激高、
扉を銃撃するも反撃を受けて犠牲に。
〇レスリー
医師。アダムと共に”扉”の前にやってくるも、
扉の謎の力により命を落とす。
(※ただし、その後別次元(?)で生きている姿も確認できる)
〇ジェームズ
扉の研究をしていた男。アナと共に扉をくぐり、
別の場所へ移動することに成功するも、
様子のおかしくなったアナに命を奪われる。
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