「メタル・トルネード」は2011年に公開された映画で、
磁気版竜巻のようなものが発生し、
周囲の鉄などを巻き込みながら、それが都市を直撃していく
状況を描く作品です。
主人公たちがこれを阻止しようと立ち向かう感じですね…!
こちらを実際に見た感想をお話していきます。
自然現象ではない「竜巻」の映画
作中では”磁気による竜巻”のようなものが発生し、
竜巻のようにそれが移動、車など、鉄関連のものを
次々と吸い込んでいき、成長していく…という状況が描かれます。
トルネード系の映画は、自然現象による竜巻が多いですが
本作の竜巻は、作中の冒頭で人間たちが行った
太陽エネルギーを地球上で使用できるエネルギーに変換する…という実験が
失敗したことにより生じた”人災的な竜巻”になっています。
他の竜巻映画とは少し、竜巻のジャンルが違うので、
その点は珍しく感じる作品です。
世界が消えるほどではない…
映画のポスターらしきものには「世界が消える」などという
キャッチコピーが描かれていますが
作中を見る限り、そこまで深刻な感じではなく、
確かに大規模な被害は出ていますが、
この竜巻が直撃したのは世界の2か所だけであり、
どちらも案外、あっさりと片付いています。
他のディザスター系映画で見られるような
”地球の存亡の危機”みたいな危機感はあまりなく、
比較的狭い範囲内で起きている出来事を描いていくような
作品になっています。
CGは、それなり…という感じで、
B級系統の映画の中ではまぁまぁ頑張っているようには
見えました。
王道的な展開で進んで行く
主人公と家族(今回は父親と息子)が上手く行っていない中、
磁石竜巻(?)が発生し、それを父親が止めようとする展開で
物語が進んで行きます。
(何故かディザスター系の映画の主人公って家族と揉めてますよね笑)
主人公は会社側に実験の危険性を告げ、
磁石竜巻が発生した原因は自分たちにあることを告げて
それを止めようとしますが、よくいる”利益重視の上司”に阻止されたりして
仕方なく、自分で止めようとする展開になっていきます。
どこかで見たような感じの展開の詰め合わせみたいな
内容ではありますが、
竜巻の特徴が特徴的なこともあって
個人的にはそれなりに楽しめました。
一応、主人公たちの周りには緊迫感はあります。
犠牲者は少な目
ディザスター系の映画だと、
モブキャラクターを中心に
多数の犠牲者が出たりしますが
本作は、意外と脇役でもしぶとい感じで、
大けがをしながらも助かっている人も結構います。
後述に犠牲者リストも用意しておきますが、
名前のあるキャラで犠牲になったのは一人だけで、
モブキャラクターも犠牲になったのは
警察を誤魔化そうとした車の運転手ぐらいなので、
他は、それぞれ生き延びています。
犠牲者が多い系の映画ジャンルにありながら、
犠牲者が割と少ないのは新鮮な感じはありました。
最後はあっけない感じに…
最後はあっけない感じの終わりになっていて、
磁石竜巻を止めるために、
爆弾を竜巻に直撃させる手法が作中で使われて、
その作戦により、磁石竜巻を食い止めることに
成功します。
ただ、後半駆け足になっている印象で、
主人公に協力してくれていた警察の人が
急に出て来なくなったり、(避難誘導しているシーンで最後?)
会社の上司が嫌味な人物だったのに、突然全ての罪を認めて
あっさりと改心したり、
結構、展開が早くなって雑になっているような印象を受けました。
また、作中では「2個目の磁石竜巻」がフランスで発生してしまいますが
こっちはほぼスルー(いつの間にか解決している感じ)だったので、
これもやはり、駆け足であるようなイメージになってしまいます。
物語の結末ネタバレ
最終的には↑の方法で2つの発生してしまった竜巻は消滅、
主人公たちのいる地域の方は、都市部に直撃する前に
竜巻を消滅させることに成功します。
一方、もう一つのフランスに出現した方の竜巻は
消滅させることはできましたが
「パリは間に合わなかった」と、登場人物が発現しており、
甚大な被害が出てしまったものと考えられます。
(ただ、何故かこのあたりはスルー気味で、
あまり登場人物たちが気にしている様子はありません笑)
その後、事件は解決し、
主人公は息子と和解、
恋人との関係も順調に進み、
息子(最初は嫌がっている感じだった)も、
「いつ結婚するの?」などと父親に対して
新しい恋人を認めるような発言をしていました。
会社の責任者の男は終盤まで
技術者に対して「君が全責任を負うんだ。私は関係ない」みたいな
態度を取っていましたが終盤で急に改心し、
最後は罪を償っている様子が描かれていました。
最後の方は上でも書いた通り、かなり呆気ない感じはします。
作中の犠牲者ネタバレ
「メタル・トルネード」の作中で
犠牲になってしまった登場人物を
ご紹介していきます。
〇ウィンタース
実験中に暴走を引き起こし、冒頭で犠牲になる。
その後は、妻が彼の実験のデータを
主人公に提供している。
他の主要人物の犠牲者はいませんが、
会社のフランス支部の代表らしき人は、
磁石竜巻に建物ごと巻き込まれているような感じなので
安否不明です。
(直撃するシーンのあと、出番がないので不明)
モブキャラは、車の違反切符を取られそうになって
警察を誤魔化そうとした人が竜巻に車ごと
巻き込まれたりして犠牲になっています。
(この人は悪いことをしてたので自業自得と言えばそうですが…笑)
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