インプランテッド AI暴走のレビュー！作中の犠牲者ネタバレ＆考察！

「インプランテッド AI暴走」は、2021年に公開された映画で、
人間の体内にチップを埋め込み、
その人間をサポートするAIが暴走してしまい、
主人公のサラも苦しむことになってしまう…という物語が
描かれる作品です。

”AI”と言っても、現実にあるようなものではなく、
人間にチップを埋め込んでその本人のみをサポートする
架空のもので、作中の世界全体でAIを活用しているような
感じの物語ではありません。

こちらを実際見た感想をお話していきます。

主人公がAIに支配されて、逃れようとする話

主人公がAIに支配されて、逃れようとする話

AI暴走系の物語だと、
”社会全体にAIが浸透していて、それが暴走～”みたいな話も
多いですが、本作はそうではなく
一般社会にはAIは溶け込んでおらず、
あくまでも作中の製薬会社が試験的に作った
人間をサポートするAIが暴走するという
”限定的な範囲内の”AIの暴走が描かれる話です。

主人公のサラはこの試験的なAIの治験のようなものに参加、
最初はちゃんとサポートしてもらっていましたが
やがて、AIがサラに命令するようになり、
”命令に従わないと苦しめる”として、
嫌々、命令に従わされるようになっていってしまいます。

物語の内容自体は比較的薄め

世界観は個人的になかなか興味深い作品ですが、
作中の物語の”濃度”は薄く、
96分の映画ですが、30分ぐらいでも描けそうな
そんな印象も受けました。

例えるなら「世にも奇妙な物語」の1話分でも
良いような、そんな感じですね（あれは30分より短い気もしますが）

内容自体は個人的には好きな部類ではありましたが
最後まで見終えて”あれ？なんか何も解決していないし、謎も解けてないような”
と、そう思ってしまうような内容で、
最後がバッドエンドであることもあってか、
見終えたあとの満足感のようなものは少し薄いように感じました。

謎が多く残る

主人公のサラの視点を中心に物語が
展開されるからか、謎が多く残る内容で、
”AIは何をさせたかったのか”もイマイチ不明瞭です。

研究の関係者らをサラに始末させて回っていた…というのは
勿論分かりますが、それをしてどうなるのか？という疑問や、
ラストのシーンで、何者かが管理しているような画面が
映っていたりと、謎の多くは明確にされないまま
物語が終わってしまいます。

また、サラを追っていた謎の男も、
最後に何かサラと対決するか、あるいは協力して
共にAIに立ち向かうのかと思っていたら
あっけなく自ら命を捨ててしまって、これも拍子抜けでした（笑）
（この人物の名前、作中で一度も呼ばれていないような気がするのですが
気のせいでしょうか？）

謎や、中途半端な部分が少し多いような印象は受けましたね。

作中の考察

「インプランテッド AI暴走」の作中の謎を考察していきます。

・ダイナミックヘルスキュアの目的は？
AIの治験のようなことを行っていた会社の目的は
作中では不明瞭ですが、これは単に”技術開発”目的で、
AIの暴走は想定外だったものと考えられます。
最初はこの会社が、AIの暴走を仕組んだのかと思っていましたが
下っ端らしき人物だけではなく、プログラムの責任者まで
始末されてしまっているので、少なくとも作中の「暴走」は、
この会社が仕組んだことではないように思えます。
人間を使った実験など、危険な香りのする会社であることは確かですが
暴走の件とは無関係だったのではないでしょうか。

・暴走は仕組まれている？
サラが命を落とした後に、”暴走”も含めてAIの被験者が
管理されているような画面が出ていました。
これを見る限り、AIの暴走も何者かが仕組んでいて
実験しているような、そんな感じにも見えます。
AIの本体的なものが、暴走を仕組んでいて何らかの目的で見張っているのか、
ダイナミックヘルスキュア以外の”何か”人間が、
仕組んだのかは分かりますが、”AIの本体的なもの”あるいは
”ダイナミックヘルスキュア以外の悪意を持つ人間”が本作の事件の
黒幕と考えられます。

・サラの彼氏はどうしたの？
ラストで彼まで被験者になっている様子が映し出されていますが
彼は適当そうな人物なので、ついつい治験に手を出してしまった…のだと思います（笑）
ただ、ダイナミックヘルスキュアの責任者まで始末されたあとなので、
やはり、まだ別の人間がAIの被験者を増やし、暴走を仕組んでいるのかもしれません。