「アポカリプス 宇宙終焉」は、2022年に公開のSF映画、
”宇宙などに関係する短編の物語”が5つ、描かれている作品です。
最初、映画を見始める前は、普通の映画だと思っていましたが
それぞれ関連性のない5つの短編(1個10分~20分ぐらい)が描かれる
オムニバス形式の映画となっており、
少し他の作品とは趣の異なる作品となっていました。
こちらを実際に見た感想をお話します。
5つの短編集
「アポカリプス 宇宙終焉」は5つの映画を詰め込んだ
”短編集”のような内容になっていて、
下記の5つの物語が描かれます。
・孤独
・クレードル
・狂気
・火星の新世界
・AI的終末
どれも繋がりがあるわけではなく、
設定なども大きく異なるために、
”世にも奇妙な物語”的な感じに、
関係のないお話が次々と登場していく感じです。
最初の話が終わるまで”そういう映画”だと
知らないまま見たので少し驚きましたね。
「孤独」の感想&ネタバレ
「孤独」は宇宙船に一人取り残された飛行士が主人公で、
偶然、通信が繋がったハンマーという男性と会話しながら
救助を待ちますが、やがて、ハンマーは”別の宇宙”の人間であることに気付き、
ハンマーと会うためにワームホールを通過、
ハンマーのいる別次元の宇宙に到達する…という内容が描かれます。
ただ、ワームホール通過の際に”時間のずれ”が起きて
到着した時にはハンマーはとっくに命を落としていて…というところで
物語は終わります。
個人的には5つの物語の中で一番シンプルかつ分かりやすく、
内容の意外性も納得できる感じで、楽しめた内容でした。
だんだんと”あれ?相手は太陽系の惑星も知らない?”みたいな
違和感を抱いていくのもいいですね。
「クレードル」の感想&ネタバレ
宇宙船の中で暮らす親子の物語で、
事故で父親が負傷、なんとか父親を助けようとする中、
母親がいなくなった理由などを知ってしまい、
父親を問い詰める…など、閉鎖環境での家族の物語が描かれます。
最終的に研究所が急にメルトダウン(※あまりに唐突なので原因不明)で
自爆することになり、主人公は父親に言われて脱出、
ただ、主人公がいたのは宇宙空間などではなく、
”宇宙で暮らすためのテスト”として海底に作られた施設であったことが
判明し、物語は終わります。
少し、最初の「孤独」よりも分かりにくい感じで、
また都合よく研究所が爆発しそうになったりと無理矢理な感じでした。
家族がどうしてこういうところにいるのかなどの説明も少し不足している感じ、です。
「狂気」の感想&ネタバレ
何らかの原因(核?)で滅んだ世界が舞台で
生き残りの主人公が街を徘徊、
クリーチャー(正体不明)と遭遇し、戦闘の末に
敗北してしまう…という結末の物語です。
滅びた世界の描写は不気味な感じで、
あえて画面をモノクロにしている(?)感じなので
雰囲気だけは凄いですが、
内容がスカスカ(主人公がひたすら10分ぐらいウロウロして
世界が滅んだ理由も、クリーチャーの正体も分からないまま
主人公が倒されて終了)なので、
”こんなに時間かける必要あった?”と思うような内容でした。
5つの中では、個人的には一番微妙でしたね…。
「火星の新世界」の感想&ネタバレ
火星で暮らす人類を描く内容で、
火星内の施設で(過酷な環境故に外に出ることは禁じられている)
生活を強いられている主人公たちを描きます。
この施設内では、結婚相手(?)も、施設側が勝手に決めているようですが、
主人公と同じ施設の男が恋をしてしまい、
それぞれ別の相手と結ばれそうになったために脱走を決意、
最後は脱走に成功する結末でした。
ただ、2番目の話と似たような結末で
施設は「火星」などではなく、「地球」にあったことが判明します。
…内容としてはそれなりに意外性もあるにはありますし、
ディストピア感(?)も楽しめますが
オチが2個目の話と似たような感じなのは「え…?またこのネタ…?」と
思ってしまう感じもありました(笑)
「AI的終末」の感想&ネタバレ
博士が開発した人間型AIソニアと、博士を中心に描く物語で、
ソニアを軍事的に利用しようとする将軍がソニアを奪取、
ソニアに未来を見て来るように命令しますが、
ソニアが最後には反旗を翻して、将軍は命を奪われておしまい…
という結末でした。
5つの話の中では最も難解な感じで、
哲学のような話題が出て来たり、
終盤の展開が難しい感じだったりと、
独特な世界が展開されていく話です。
私はプライムビデオで見ましたが
あらすじには、何故かこの話が中心かのような書かれ方をしていますが
特に他の4つと繋がっている感じではなく、
(あらすじには、この話のソニアが見た”未来”が他の4つの話的なことが
書かれていますが映画内にはそんな演出も説明も描写も特にはありませんでした)
あくまでも5つの中のひとつ、みたいな感じでした。
作中の犠牲者ネタバレ
「アポカリプス 宇宙終焉」の作中で犠牲になってしまった
登場人物たちをご紹介していきます。
作中の登場順に並んでいます。
〇ハンマー(孤独)
別次元の惑星で身動きが取れなくなっていた男性。
主人公が到着するまでの間に長い時間が流れ、
その間に洞窟から外へと向かい、犠牲になった模様。
〇ジェシカ・ルウェリン(クレードル)
マークの妻にあたる人物。施設での生活に耐えきれなくなり、
命を落とした模様。
〇マーク・ルウェリン(クレードル)
施設の事故により負傷、完全に回復する前に施設が
自爆することになってしまい、娘を脱出させ、
自らはその場に残って命を落とす
〇主人公(狂気)
「狂気」の主人公。名前は語られないため不明。
クリーチャーと交戦した末に敗れ去って命を落とす。
〇スティーヴン博士(AI的終末)
ソニアを開発した博士。
ソニアの力を欲したブライアンらに始末される
〇ブライアン(AI的終末)
将軍。ソニアに操られた兵士によって撃たれて犠牲に。
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