「アポカリプスライジング」は、
2022年に公開されたディザスター映画で、
よくサメ映画やアルマゲドン系の映画などを
大量に制作しているアサイラム社による作品です。
世界各地で地震や津波、噴火など、
大規模災害のオンパレードが発生、
その原因がブラジルの火山活動によるものだと突き止められて
主人公たちがその対処にあたる話です。
アサイラム系のディザスター映画はとんでもない設定のものが
多いですが、いつも以上にそこに磨きがかかっている(あまり良くない意味で笑)
作品になっています。
こちらの映画を実際に見た感想をお話していきます。
世界終末の危機に何故か少人数で立ち向かう作品
世界各地で大規模災害が発生し、
その原因となるブラジルの火山活動を止めるべく、
偶然現地にいた反乱軍(?)を鎮圧するために
送り込まれていた部隊3人と、
招集された研究者3人の計6人が、自然災害に
立ち向かっていく話です。
何故かその6人と、本部らしき場所以外しか
その災害に対応している様子がないのも
なかなかシュールな作品です(笑)
なお、ディザスター系映画ではありますが
世間での様子などはほぼ描かれず、
基本的には主人公たちと、本部の描写のみになっているので、
”大災害の中、世間がどんな様子なのか”という
一般人目線の描写はほとんどありません。
そのため、”世界に終末が訪れるまであとわずか!”と映画内で
言われてもあまり画面を通してそれが伝わってこない感じはあります。
要素を詰め込み過ぎて破綻?
ディザスター映画の中ではかなり要素を詰め込み過ぎている印象で、
地震、噴火、津波などの定番の災害が(映画内で)
発生しているのはもちろん、
イナゴの大群の発生、謎のキノコのような植物の存在、
謎の感染症の拡大、黙示録の騎士たち、反乱軍の存在など
思いついた要素を適当に詰め込みまくったかのような
内容になっていて、
そのせいか、それぞれの要素が破綻気味です。
感染症や植物、イナゴあたりはあまり物語の展開上も
役に立っていないような感じなので
(むしろ逆に複雑になって、描写的にも不自然な感じになっているような?)
いらなかったかな…?というような感じもします。
四騎士も、そこだけ唐突にファンタジーっぽくなっていて
この映画の内容の世界観には合わないように感じました。
(まぁ、他のディザスター映画と差別化する要素を入れたかったのかもしれませんが)
設定がかなり破綻気味でシュール
作中で発生している世界規模の異常気象は
何故か”ブラジルの火山活動”が原因で、
(なぜ、それが世界中に影響を及ぼすのか謎…笑)
しかも、その解決策が火山活動の中心となっているところに
爆弾を放り込めば元に戻って行く、という
とんでもない理論を語り始めます(笑)
こういうディザスター映画はいつも、滅茶苦茶な方法で
解決することも多いのですが、
今回はいつもにも増してかなり強引な設定で、
しかもそれであっさり解決するので
逆に笑えてしまいました。
「世界中の異常気象が収まってる!やった!」みたいな
ラストにはもはや「???」と、
暖かい笑顔で画面を見つめるようなそんな状態でした(笑)
軍曹はどこへ…?
作中で活躍する部隊の三人のうちの一人、
軍曹は中盤で感染症に感染して
おかしくなってしまい、突然仲間を襲撃してきます。
その後、仲間によって拘束されますが、
再度その場所に主人公たちが足を運んだ時には
既に姿を消していて「軍曹は逃げたようだ」の
軽い一言で済まされます。
てっきり、終盤あたりに再登場するのかと思いきや、
軍曹はそのまま画面からも話題からもフェードアウト(笑)
最後まで一切登場することはありませんでした。
登場しないだけではなく、少佐たちも一切
軍曹のことを話題にしなくなるので、
「え?感染症に感染して行方不明の軍曹はどうでもいいの?」と
少し心配になります笑
…結局、軍曹がどうなったのかは最後まで分かりませんが、
もし、最後の時点までどこかで生きているなら、
菌類の学者が言っていた通り「感染症も自然に中和するはず」みたいな
感じだったので正気を取り戻して無事だとは思います。
(その前に噴火とか落雷に巻き込まれていそうな気がしますが…)
ついでに、少佐たちの待機していた基地の人たちが
全員姿を消してしまっている描写もありますが
結局、何が起きたのか(雷?)不明のまま、
最後まで何も語られることはありませんでした。
CGは明らかにCGと分かるレベル
CGも、かなり微妙な感じで
明らかにCGと分かるような
笑ってしまうようなCGです。
これが19〇〇年代の映画ならともかく、
2022年の映画でこれ?と、いうような感じのCGになっています。
…B級映画ではよくあることなので
私のように、そういった映画を見慣れている人からすれば
「あ~これね」という感じだと思いますが
(それでも、もうちょっとまともなのもありますが)
普段、この手のB級映画を見ないような人が
いきなり本作を見たりしたら
「え…?」と、驚いてしまうかもしれないので
その点はある程度覚悟しておいた方がいいかもしれません。
作中の犠牲者ネタバレ
「アポカリプスライジング」の作中で犠牲になってしまった
登場人物たちをご紹介していきます。
作中の時系列順に並んでいます。
〇ロドリゴ
冒頭で銃撃戦を行っていた男。災害に巻き込まれて命を落とす。
〇パウロ
負傷した状態で倒れていた男。
ジョーンズ少佐らと遭遇後、間もなく息絶える。
メイン系のキャラは(軍曹は安否不明ですが)
大体は生き残っていて、この点は少し珍しい感じでした。
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