「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」は
同名の小説を原作とした映画で、
2023年に公開された作品です。
現代の高校生が、
戦時の時代にタイムスリップしてしまい、
その中で色々な人々と出会う姿を
描いていく作品ですね。
こちらを実際に見た感想をお話ししていきます。
原作は小説。原作を見てなくても大丈夫?
この映画の原作は、同じ題名の小説で、
小説投稿サイトでの投稿から始まり、
その後、2016年に改題された上で発売された作品です。
後に2021年からは漫画版も発表され、
単行本が全2巻で発売されていて、
2023年に初の映像化となる映画版が公開された形に
なっています。
映画版は、原作を見たことがなくても
ちゃんと物語を理解し、楽しめるようになっているので、
原作を見たことがある人でも、ない人でも、
問題なく楽しめるようになっています。
(私自身も原作小説は見たことがありませんでしたが、
問題なく楽しむことができました)
タイムスリップの要素が最大の特徴
本作の最大の特徴は
タイムスリップの要素も用意されている点で
作中の主人公は現代の高校生となっていて、
現代の場面から物語が始まっていきます。
その後、序盤で主人公が戦時中にタイムスリップし、
そこでその時代の人々と出会い、
色々な経験をしていく、という話になっています。
基本的には過去の時代が中心に展開され、
現代の場面は最初少しと最後の方に少しあるぐらいです。
なお、タイムスリップ自体は”詳細不明”のまま終わっていて、
その現象が起きた理由などについては焦点が当たらないので
気になる人は気になるかもしれません。
比較的穏やかな雰囲気で見ることのできる作品
時代背景が時代背景なので、
同じ時代を舞台とした作品では、
結構過酷な描写が多い作品もありますが、
この作品は比較的マイルドな作品となっていて、
登場人物たちは、親切な人たちが多めです。
実際には現代的な考えをここまで理解してくれるような人は、
いなそうな気もしますが、
この作品では、高校生をタイムスリップした設定にすることで、
現代の人たちにも、当時の状況を大きく崩すことはなく伝えつつ、
イヤな感じを極力与えないように、物語を見せるような
そんな工夫がされているような感じがしました。
当時の時代を100%再現すると、
それが事実だったとしても”作品”としては
なかなか現代の人には見てもらえない感じもしますし、
美味いバランス調整であると思います。
…途中で出てきた警官みたいな人もいますが、
割と全体的に善人が多いですね。
元に戻る時はあっけない
終盤、どうやって元に戻るのかと思っていましたが
急に元の世界に戻されて、それっきりでした。
最後は少し(戻り方は)あっけない感じがしましたね…。
結局、物語中では百合は
終始、過去の人たちに”未来から来た”とは言いませんでしたし、
現代でも”過去に言っていた”とは言わなかったので、
その辺は賢い子だという印象でした!
(物語的には、過去の人々が”百合は未来から来た”と言われた際に
どんな反応をするのか、少し見て見たかった気もしますが)
作中の色々な考察
作中の気になる部分を個人的に考察してみました。
・過去の出来事は現実?
これは、現実のようで、夢ではなく
主人公の百合がタイムスリップして実際にその時代で
行動していたものと思われます。
その証拠に終盤で現代に戻ったあとは彰が百合に送った
手紙が当時の資料として、博物館に展示されていました。
(夢なら、その手紙は存在していないはずである為)
・タイムスリップした理由は?
これは、物語内では最後まで原因不明です。
戻った理由に関しても謎で、
主人公があの時代に飛ばされた理由も謎のままでした。
…これに関しては、なかなか理由を考えるのは難しいところですね。
あの場所に、何か秘密があるのかもしれません。
・百合が現代に戻った後の過去の世界の出来事は…?
過去の世界で百合の面倒を見てくれたツルさんたちから
すれば、突然百合がいなくなってしまった感じになっていると思うので、
ツルさんは可哀想ですね…笑
もしかすると、当時の人々の記憶からは百合が戻った時点で消えているのかも
しれませんが、記憶が残っているのだとすれば、
タイミング的に、彰がいなくなって百合も自暴自棄になって姿を消した、と
思われても仕方ないタイミングなので、残された側は少し可哀想な感じが
しました。
作中の犠牲者ネタバレ
「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」の作中で
犠牲になってしまった人物を時系列順に
ご紹介していきます。
〇たかし
中盤で百合が食事を分け与えた子供。
警官に絡まれた際に百合が逃がすも、
その後、百合たちの街が攻撃を受けた際に
犠牲になっているのが発見される。
〇石丸
〇寺岡
〇加藤
〇佐久間彰
終盤で4人に出撃命令が下り、任務のために出撃、
どうなったかどうかを確認する前に、百合は現代へと
戻ってしまうものの、
現代に戻った後の博物館での描写から、
任務が中断されるようなことはなく、犠牲になった模様。
〇板倉
過去の世界で、逃亡しようとし、彰たちによって見逃される。
その後、現代に戻った後の博物館の描写から、
後の時代も生き延び、寿命を全うしたことが語られている。
(現代の時代では既に故人となっていた)
続編は存在するの?
映画版はここで物語は終わっていて
今のところは続編は登場していません。
ただ、原作小説の方では続きも発売されており、
「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」というタイトルで、
現代に生まれ変わった彰と、百合の物語が
描かれています。
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