2073スペースサバイバルのレビュー!正解の選択肢を考察!

映画

映画「2073スペース・サバイバル」は
2016年に公開された映画で、
4人が乗っていた宇宙船が事故を起こし、
救助船が来るまでの時間を生き延びるには、
2人削らなくてはいけない
(救助が来るまで酸素を持たせるには、残り人数を
2人にしなくてはならない)状況になってしまい、
残された4人が疑心暗鬼に陥ったり、争いを繰り広げる映画です。

こちらの映画を実際に見た感想やネタバレ、考察を
お話していきます。

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4人のうち2人を犠牲にしないといけない

本作には地球側の連合と、太陽系の外側の連合に
人類が分かれて対立…というようなバックストーリーがありますが
そういった要素や、SF要素はあまり関係なく、
単純に言えば”4人のうち、2人しか生きられない”という状況を
描く映画です。

地球側と外側の対立…みたいのはほぼ映画内では無関係で、
4人中2人しか生きられない状態がメインで描かれる映画です。

人間の醜さのようなものが凝縮された、
低予算であることは滲み出てはいるものの、
個人的にはそこそこ楽しむことはできました。

「人間は愚か」なのかもしれない

4人のうち2人しか生きられないことを知った
4人の船員は、”案の定”争いを始めたり、
疑心暗鬼になったりします。

人間は愚か…と言いたくなるような
エピソードも結構描かれてますね(笑)

ただ、実際に4人中2人しか生きられないとなったら、
一緒にいるのが単なる”同僚”で家族でも恋人でもないわけですから、
「みんなのために、自分は犠牲になります」なんて人が
出て来るはずもなく、登場人物たちの気持ちも分かるような気もしますし
難しいところですね…。

4人は、最初のうちは冷静に対応しようとしていたものの、
次第に不穏な気配に包まれて行き、
最終的にはそれが原因で…と言う結末を迎えていきます。

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低予算であることが伺える+ツッコミどころも

映画自体はシリアスな展開ですが
低予算であることが伺えて、
宇宙のCGは微妙です。

また、終始狭い空間で登場人物も4人(+通信相手の一人)しか
いないので、”予算が少ないのだろうな…”と伺わせる内容では
ありました。

しかし、低予算ながらそれでも作れるような題材で
映画を作っているのは上手だと、個人的には感じました。

ただ…映画の前半で敵の攻撃を受けて宇宙船が故障した際に
「破損個所をテープで修復しよう」というあまりにも
シュールな描写があるので、そこは笑ってしまいました。
(しかもテープで大丈夫だった様子なのも笑いを誘います)

結末は…なんとなく予想できた結果に…

最終的な結末としては”全滅エンド”で、
いち早く「他の船員の排除」を口にし始めたオットーが
最初にそれに失敗して始末されてしまい、
次に、階級が高く、4人の中では年配の二人が
テッサを裏切って下層に幽閉、酸素を抜いて始末しようとします。

結果、テッサは仕留めることに成功して残り二人になりましたが
裏切られたテッサが怒り、命を落とすまでの時間に
銃で酸素タンクを破壊、結果、一人分の酸素しかなくなってしまいます。

残るハンターとノバも争いを始めますが
最後には二人とも疲れ果てて寝落ちしてしまい、
気付いた時にはもう、酸素の残量が0になる直前で、
二人ともそのまま窒息してしまう運命…というところで
物語は幕を閉じます。

結局…全滅エンドというのが物語の結末でした。

最初から、煮え切らないやり方で生き残る二人を
決めようとし始めた時点で、イヤな予感がしていましたが
案の定になってしまいました…。

…なので、本作は何の救いもない結末を迎えることになります。

どうすれば正解だったのか考察

どうすれば全滅を避けられたのか。

これは、倫理的な面を除いて考えれば、
”経験豊富なベテラン”であるハンター・ノバの2名を残すか、
あるいは”未来がある比較的若い世代”である
オットー・テッサの2名を残す、
あるいは家族がいる人間を優先し、さらには若い世代から優先的に、と
考えるとオットーと、ノバかハンターのどちらかを残す…
これらの考え方ができますが、
いずれも、争いは起きるでしょう。

結論から言えば、どのような線引きをしても
”争い”は起きますし、作中のように話し合いを始めても、
あるいは作中でやってようにくじ引きをしても
ハズレた人間が「はいそうですか」と諦めるはずなどなく、
オットーのように暴れ出すのは間違いありません。

では、どうすれば良かったのか。

これは、”2名しか生き延びられない”と決まった時点で
船長であるハンターが”非情な判断”を即時決断するしかなかったと思います。
ハンターは作中で”嫌われるリーダーにならなければならない”というようなことを
前半で言っていますが、そうならなければいけなかったわけです。

が、彼自身がそれをできずに、ダラダラと時間をかけてしまったことが失敗で
”全滅”を避けるには
最初の時点で生き延びる人間を早急に判断し、
2名を下層に移動させて空気を遮断、2人を削ってしまうしかなかったと思います。

時間をかけて話し合っても映画のようになるのは目に見えてますからね。

そうなると、ハンターが船長として
罪も自分が背負う覚悟で、最初の時点で下層にいた二人を遮断し、
テッサとオットーを始末してしまうのが一番早いですが
(すぐにやれば酸素タンク破壊も多分思いつかないでしょう)、
ただ、この場合「最後の最後まで仲間を傷つけることに否定的だったノバ」が
「何てことしたの!?」となって争いになるリスクがあるため、
正解としては、

「ハンターが早急に決断し、何らかの理由をつけて
 オットーを操縦席側に移動させ、
 ノバとテッサを下層側に遮断、酸素を抜いて仕留める」のが
全滅を避ける方法だったかと思います。
(あまりにもひどいですが、全滅を避けるにはこれしかないでしょう)

何故、テッサとノバを残すのではいけないのかと言うと、
作中ではテッサは仲間を傷つける選択には最後まで否定的で、
ノバは”残り2名になってギリギリになるまで”否定的だったため、
テッサorノバを残すと、非情な決断を下したハンターと口論になって
結局争いが起き、共倒れする可能性があるためですね。

オットーは最初から仲間を仕留めてでも生き延びようとしていたので、
ハンターが非情な決断を下し、オットーを残す組み合わせなら
生き残ったあとも2人が争いを起こす可能性は低く、
それだけが唯一、”全滅を避ける方法”だったのではないかと思います。

または”くじ引き”の方法を、
作中でオットーに使った薬を水にでも混ぜて、
”ハズレを引いたら引き返せない状態”にした上で実施する…
というのもありますが
多分これをやると、直前で飲まない人間が出てきて
争いが起きると思うので
やはりハンターが最初の時点で速攻で冷徹な決断を下す必要が
あったのではないかと思います。

”酷いことをせずに話し合って”とやっていると、
残念ながら映画のような結末を辿る可能性が高いですからね…。

作中の犠牲者ネタバレ

2073スペースサバイバルの作中で犠牲になってしまった
登場人物をご紹介していきます。
(作中の時系列順に並んでいます)

〇オットー
船員の一人。犠牲者を決めるくじ引きの際に
自らがハズレを引いてしまったため銃を取り出し、
仲間の命を奪おうとするも失敗、
そのまま他の三人によって命を奪われた。

〇テッサ
酸素タンクの状況を確認しに行った帰りに
ノバとハンターに裏切られて下層に幽閉された挙句、
酸素を抜かれて命を落とす。

〇ノバ
テッサの最後の悪あがきによって、酸素が一人分しか
なくなったことにより、ハンターと争うも途中で寝落ち。
起きた時には酸素がもうなくなっていて、
そのままハンターと共に息絶える。

〇ハンター
ノバと争いを始めるも、ノバ共々寝落ちしてしまい、
目覚めたときには手遅れの状態に。
最後はそのままノバと共に命を落とした。

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